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2025共通テスト 試験情報まとめ
2023年6月2日に文部科学省から「『令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱』について(通知)」、6月9日に大学入試センターから「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等・問題作成方針・その他について」が公表されました。
ここでは、その内容(問題作成方針、出題方法、時間割、経過措置、得点調整など)と、これまでの公表情報をまとめました。
参考:「『令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱』について(通知)」
(2023.6.2、文部科学省)
参考:「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等・問題作成方針・その他について」
(2023.6.9、大学入試センター)
01. 各情報の位置づけ ― 弊社まとめ ―
2021共通テストでは、「問題作成の方向性」→(試行調査2回)→「実施大綱」→「出題方法および問題作成方針」と段階的に情報が公表されました。 2025共通テストでは、共通テストに向けた検討や準備に資するよう、それぞれの段階の「予告」や「検討の方向性」などが示され、非常に丁寧な情報発信がされています。
02. 問題作成方針
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針
第1 問題作成の基本的な考え方
大学入学共通テスト(以下「共通テスト」という。)は、大学(専門職大学及び短期大学(専門職短期大学を含む。以下同じ。)を含む。以下同じ。)への入学志願者を対象に、高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部を含む。以下同じ。)の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定し、大学教育を受けるために必要な能力について把握するという目的の下、各大学が実施する試験等との組合せにより、大学教育を受けるためにふさわしい能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定することに資するよう、以下を基本的な考え方として作成する。
1.大学への入学志願者が高等学校教育の成果として身に付けた、知識・技能や思考力・判断力・表現力等を問う問題の作成
大学で学修するために共通して必要となる、高等学校の段階において身に付けた基礎的な力を問う問題を作成する。
特に、高等学校学習指導要領において「主体的・対話的で深い学び」を通して育成することとされている、深い理解を伴った知識の質を問う問題や、知識・技能を活用し思考力・判断力・表現力等を発揮して解くことが求められる問題を重視する。その際、言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等を、教科等横断的に育成することとされていることについても留意する。
2. 各教科・科目の特質に応じた学習の過程を重視した問題の作成
1に示した知識・技能や思考力・判断力・表現力等を適切に評価できるよう、出題科目の特質に応じた学習の過程を重視し、問題の構成や場面設定等を工夫する。
例えば、社会や日常の中から課題を発見し解決方法を構想する場面、資料やデータ等を基に考察する場面、考察したことを整理して表現しようとする場面などを設定することによって、探究的に学んだり協働的に課題に取り組んだりする過程を、問題作成に効果的に取り入れる。
3. 多様な入学志願者の学力を適切に評価する問題の作成
2に示す問題作成の工夫を重視した上で、多様な入学志願者が十分に力を発揮し、1に示す知識・技能や思考力・判断力・表現力等を適切に評価できる問題となるよう、構成や内容、分量、表現等に配慮する。その際、これまで良質な問題作成を行う中で蓄積した知見や、問題の評価・分析の結果を問題作成に生かすようにする。
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針(2023.6.9、大学入試センター)
03. 出題方法
試験時間割(イメージ)
理科を一つの試験時間帯、情報を一つの試験時間帯で実施する場合の試験時間割の一つのイメージ。実際の試験時間割は、現在、大学入試センターにおいて検討中。
令和7年度以降の試験に向けた検討について(2022.11.9、大学入試センター)
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等
(注3)
地理歴史及び公民並びに理科の試験時間において2科目を選択する場合は、解答順に第1解答科目及び第2解答科目に区分し各60分間で解答を行うが、第1解答科目及び第2解答科目の間に答案回収等を行うために必要な時間を加えた時間を試験時間とする。 『 』は大学入学共通テストにおける出題科目を表し、「 」は高等学校学習指導要領上設定されている科目を表す。また、『地理総合/歴史総合/公共』や『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』にある“/ ”は、一つの出題科目の中で複数の出題範囲を選択解答することを表す。
(注2)
地歴公民の2出題科目を選択する際の注意点
「実施大綱の予告」(2021年7月、文部科学省)をもとに作成
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト「旧教育課程による出題科目」の出題方法等
→2023年度の高3生は要注意(2024年度に既卒生になった場合のことです)。
(注1)
「同一名称を含む科目の組合せ」とは、『旧世界史A』と『旧世界史B』、『旧日本史A』と『旧日本史B』、『旧地理A』と『旧地理B』、『旧倫理』と『旧倫理、旧政治・経済』及び『旧政治・経済』と『旧倫理、旧政治・経済』の組合せをいう。
(注2)
令和6年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストにおいては、数学(2)の試験時間は60分であるが、令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストにおいては、数学(2)の試験時間は旧教育課程による出題科目も含めて70分である。
理科の問題冊子、情報Ⅰの試作問題の出題構成から見た経過措置のポイント
「理科については、必要に応じて、旧教育課程履修者等のみが選択可能な問題を出題する場合があります」との記載があり、その場合には大問単位での選択になると考えられる。
過去2回の課程変更時の出題を見ると、科目編成が大きく変わった2015センター試験(新課程の科目:物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎、物理、化学、生物、地学/旧課程の科目:理科総合A、理科総合B、物理Ⅰ、化学Ⅰ、生物Ⅰ、地学Ⅰ)の出題では、旧課程の科目が別に用意された。
その前の2006センター試験(新課程の科目:理科総合A、理科総合B、物理Ⅰ、化学Ⅰ、生物Ⅰ、地学Ⅰ/旧課程の科目:総合理科、物理ⅠA、物理ⅠB、化学ⅠA、化学ⅠB、生物ⅠA、生物ⅠB、地学ⅠA、地学ⅠB)の出題では、ⅠB科目(旧課程)の別問題は用意されず、Ⅰ科目(新課程)の問題で新旧で共通の範囲・内容から出題された。
【出典】「令和7年度大学入学共通テスト 出題の方向性及び試作問題の公表に関する説明資料等」(2022.11.22、大学入試センター)
・経過措置科目の名称が「旧情報」に決まった。
・試作問題では、「社会と情報」及び「情報の科学」の共通問題と、それぞれ固有の内容に対応した選択問題から構成されていた。
04. 問題冊子、解答用紙/得点調整/「情報」の経過措置関係
令和7年度大学入学共通テストから、平成30年3月に告示された高等学校学習指導要領に対応した科目を出題することに伴い、一部の教科・科目(地理歴史、公民、数学、理科、情報)では、問題冊子の形態等に変更があります。変更がある教科・科目における問題冊子の形態等は、以下のとおりです。
(1)地理歴史、公民
「地理総合/歴史総合/公共」を掲載した「地理歴史、公民(2)」と、その他の出題科目をまとめた「地理歴史、公民(1)」の問題冊子2冊をビニールでパッケージ化する。
(2)数学
新教育課程による出題科目と旧教育課程による出題科目を同じ問題冊子に掲載する。
(3)理科
『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』『物理』『化学』『生物』『地学』を1冊に掲載する。
(4)情報
『情報Ⅰ』と『旧情報』を同じ問題冊子に掲載する。
(1)地理歴史、公民:選択解答する科目を間違えないようにする工夫と思われる。
(2)数学:新旧課程で冊子が同一になるため、解答するページに注意が必要になる。
(3)理科:令和6年度までは時間割の関係で2冊に分かれていたが、令和7年度は1つの試験時間帯に行われるので1冊になった。
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストにおける解答用紙について
・令和7年度大学入学共通テストから、平成30年3月に告示された高等学校学習指導要領に対応した科目を出題することに伴い、一部の教科・科目(地理歴史、公民、数学、理科、情報)では、解答用紙の様式に変更がある。
・数学(2)では、解答する大問数が増え、マークシートのスペースを要することから、選択肢記号「a、b、c、d」が削除されたと考えられる。選択肢記号「±」や「a、b、c、d」が削除され、数学(1)と(2)の解答欄が統一されることになった。
・2021~2023年の共通テスト本試では「a、b、c、d」をマークさせる問題が毎年出題されている。その中には穴埋めで「a、b、c、d」のいずれかをマークさせる形式と解答群の「0からbまでの12択」という形式があった。これらが無くなることから難易度に多少影響があると考えられる。
・令和7年度大学入学共通テストから導入される情報の解答用紙は1枚、第1面・第2面の構成となっている。
得点調整
赤枠で囲っている科目が2025共通テストの得点調整対象科目である。なお、得点調整を実施する場合の条件や方法については、別途定める。また、2024共通テストまでは『倫理、政治・経済』を得点調整の対象に含めていないが、2025共通テストにおいては『旧倫理、旧政治・経済』を得点調整の対象科目とする。
「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト『経過措置科目』の出題方法等(予告)」(2022.11.9、大学入試センター)をもとに作成
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの得点調整の実施条件・方法について
(1)得点調整の対象教科・科目
地理歴史、公民、数学(1)、数学(2)、理科については、受験者数が1万人未満の科目は得点調整の対象としません。
『情報Ⅰ』と『旧情報』の間については、いずれかの受験者数が1万人未満であっても得点調整の対象とします。
(2)得点調整の実施条件
得点調整の対象となった各科目間で、次のいずれかが生じ、これが試験問題の難易差に基づくものと認められる場合には、得点調整を行います。
・20 点以上の平均点差が生じた場合
・15 点以上の平均点差が生じ、かつ、段階表示の区分点差(注1)が 20 点以上生じた場合
(注1)ここでいう区分点差とは、各科目の成績の段階表示(スタナイン)の各段階の境目となる、上から4%、11%、23%、40%、60%、77%、89%、96%の分位点(得点)の差を指します。
(1)得点調整について
大学入試センターは、大学入学共通テストの本試験において、次の科目間で、原則として、20点以上の平均点差が生じ、これが試験問題の難易差に基づくものと認められる場合には、得点調整を行う。
ただし、受験者数が1万人未満であった科目は得点調整の対象としない。
1.地理歴史の「世界史B」、「日本史B」、「地理B」の間
2.公民の「現代社会」、「倫理」、「政治・経済」の間
3.理科のグループ(2)の「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の間
令和6年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項(198.3 KB)(2023.6.9、大学入試センター)
・受験者数が1万人未満であった科目は得点調整の対象にならないが、『情報Ⅰ』と『旧情報』の間については、いずれかの受験者数が1万人未満であっても得点調整の対象となる。
・「15点差以上の平均点差が生じ、かつ、段階表示の区分点差が 20 点以上生じた場合」も得点調整の実施条件になるのは新しい方針。
05. 出題教科・科目の問題作成方針
国語
問題作成方針に関する検討の方向性
これまでの問題作成方針で示してきたことを引き続き重視しつつ、新学習指導要領「現代の国語」、「言語文化」それぞれで育成する資質・能力を、試験問題全体を通じて評価する。
具体的には、新たな大問を追加し、より多様な文章を扱うことで、言葉による記録、要約、説明、論述、話合い等の言語活動を重視して、目的や場面に応じて必要な情報と情報の関係を的確に理解する力や、様々な文章の内容を把握したり、適切に解釈したりする力等も含め多様な資質・能力を評価できるようにする。
また、各大問では、引き続き、近代以降の文章(論理的な文章や実用的な文章、文学的な文章)、古典(古文、漢文)を題材として、試験時間(90 分)との関係に留意しつつ、それぞれの題材の意義や特質を一層生かした出題となるよう工夫する。
問題作成方針
【令和7年度】
言語を手掛かりとしながら、文章の内容を多面的・多角的な視点から解釈したり、目的や場面等に応じて、情報を的確に理解したり、より効果的な表現に向けて検討、工夫したりする力などを求める。近代以降の文章(論理的な文章や実用的な文章、文学的な文章)、古典(古文、漢文)を題材とし、言葉による記録、要約、説明、論述、話合い等の言語活動を重視する。
問題の作成に当たっては、題材の意義や特質を生かした出題とするとともに、大問ごとに一つの題材で問題を作成するだけでなく、異なる種類や分野の文章などを組み合わせた、複数の題材による問題を含めて検討する。
参考【令和6年度】
言語を手掛かりとしながら、文章から得られた情報を多面的・多角的な視点から解釈したり、目的や場面等に応じて文章を書いたりする力などを求める。近代以降の文章(論理的な文章、文学的な文章、実用的な文章)、古典(古文、漢文)といった題材を対象とし、言語活動の過程を重視する。
問題の作成に当たっては、大問ごとに一つの題材で問題を作成するだけでなく、異なる種類や分野の文章などを組み合わせた、複数の題材による問題を含めて検討する。
・検討の方向性では「言葉による記録、要約、説明、論述、話合い」など具体的な言語活動が明示され、問題作成方針に反映されている。
・令和7年度の問題作成方針では、「それぞれの題材の意義や特質を一層生かした出題」が明記された。「一層」とあることから、今までもこの方針であったことが読み取れ、さらにこの傾向が強まると考えられる。
地理・歴史
問題作成方針に関する検討の方向性
【地理総合、歴史総合、公共】
『地理総合、歴史総合、公共』では、地理歴史科、公民科の必履修科目(学科等を問わず全ての生徒が卒業までに履修する科目)である3科目に対応した三つを出題範囲として出題する(受験者は、そのうち二つを選択解答する。)。
新学習指導要領に示されている、それぞれの科目で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
【地理(地理総合、地理探究)】
地理総合、地理探究』では、必履修科目である「地理総合」と、その履修後に学習する選択科目である「地理探究」を総合した範囲から出題する。
新学習指導要領に示されている「地理総合」及び「地理探究」で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
問題作成方針
【令和7年度】
『地理総合、地理探究』、『地理総合/歴史総合/公共』の「地理総合」部分
地理に関わる事象を多面的・多角的に考察、構想する過程を重視する。
地理的な見方・考え方を働かせて、地理に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連を、概念などを活用して多面的・多角的に考察したり、地理的な課題の解決に向けて構想したりする力を求める。『地理総合、地理探究』では、「地理総合」で学習したことと、それを基に「地理探究」で学習したことを問う。
問題の作成に当たっては、地域を様々なスケールから捉える問題や、地理的な諸事象に対して知識を基に推論したり、資料を基に検証したりする問題、系統地理と地誌の両分野を関連付けた問題などを含めて検討する。
参考【令和6年度】【地理】
地理に関わる事象を多面的・多角的に考察する過程を重視する。地理的な見方や考え方を働かせて、地理に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連を多面的・多角的に考察したり、地理的な諸課題の解決に向けて構想したりする力を求める。
問題の作成に当たっては、思考の過程に重きを置きながら、地域を様々なスケールから捉える問題や、地理的な諸事象に対して知識を基に推論したり、資料を基に検証したりする問題、系統地理と地誌の両分野を関連付けた問題などを含めて検討する。
・令和7年度の問題作成方針では、地理に関わる事象を多面的・多角的に考察、「構想する」過程も重視されることが加えられた。
・地理的な見方・考え方を働かせて、地理に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連を、「概念などを活用して」多面的・多角的に考察することが加えられた。
問題作成方針に関する検討の方向性
【地理総合、歴史総合、公共】
『地理総合、歴史総合、公共』では、地理歴史科、公民科の必履修科目(学科等を問わず全ての生徒が卒業までに履修する科目)である3科目に対応した三つを出題範囲として出題する(受験者は、そのうち二つを選択解答する。)。
新学習指導要領に示されている、それぞれの科目で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
【歴史(歴史総合、日本史探究、世界史探究)】
『歴史総合、日本史探究』では、必履修科目である「歴史総合」と、その履修後に学習する選択科目である「日本史探究」を総合した範囲から出題する。
『歴史総合、世界史探究』では、必履修科目である「歴史総合」と、その履修後に学習する選択科目である「世界史探究」を総合した範囲から出題する。
新学習指導要領に示されている「歴史総合」、「日本史探究」及び「世界史探究」で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
問題作成方針
【令和7年度】
『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』、『地理総合/歴史総合/公共』の「歴史総合」部分
歴史に関わる事象を多面的・多角的に考察、構想する過程を重視する。
用語などを含めた個別の事実等に関する知識のみならず、歴史に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連等について、歴史的な見方・考え方を働かせながら、概念などを活用して多面的・多角的に考察したり、課題の解決を視野に入れて構想したりする力を求める。『歴史総合、日本史探究』及び『歴史総合、世界史探究』では、「歴史総合」で学習したことと、それを基に「日本史探究」又は「世界史探究」で学習したことを問う。
問題の作成に当たっては、事象に関する深い理解を伴った知識を活用して、例えば、教科書等で扱われていない資料であっても、そこから得られる情報と授業で学んだ知識を関連付ける問題や、仮説を立てて資料に基づき根拠を示したり検証したりする問題、時代や地域を超えて特定のテーマについて考察する問題などを含めて検討する。
参考【令和6年度】【歴史(日本史・世界史)】
歴史に関わる事象を多面的・多角的に考察する過程を重視する。用語などを含めた個別の事実等に関する知識のみならず、歴史的事象の意味や意義、特色や相互の関連等について、総合的に考察する力を求める。
問題の作成に当たっては、事象に関する深い理解に基づいて、例えば、教科書等で扱われていない初見の資料であっても、そこから得られる情報と授業で学んだ知識を関連付ける問題、仮説を立て、資料に基づいて根拠を示したり、検証したりする問題や、歴史の展開を考察したり、時代や地域を超えて特定のテーマについて考察したりする問題などを含めて検討する。
・令和7年度の問題作成方針では、歴史に関わる事象を多面的・多角的に考察、「構想する」過程も重視されることが加えられた。
・歴史に関わる事象の意味や意義、特色や相互の関連を、「歴史的な見方・考え方を働かせながら概念などを活用して」多面的・多角的に考察することが加えられた。
公民
問題作成方針に関する検討の方向性
【公共、倫理】
『公共、倫理』では、必履修科目である「公共」と、その履修後に学習する選択科目である「倫理」を総合した範囲から出題する。
新学習指導要領に示されている「公共」及び「倫理」で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
問題作成方針
【令和7年度】
「公共」は、人間と社会の在り方についての見方・考え方を働かせ、現実社会の諸課題の解決に向け、選択・判断の手掛かりとなる考え方や公共的な空間における基本的原理を活用して、多面的・多角的に考察したり構想したりする過程を重視する。
基礎的・基本的な概念や理論、考え方等を活用し、文章や資料を的確に読み解きながら考察する力を求める。
問題の作成に当たっては、現実社会の諸課題について理解したり考察したりするために必要な概念や知識に関わる問題、多様な資料を用いて考察する問題などを含めて検討する。
「倫理」は、人間としての在り方生き方についての見方・考え方を働かせ、現代の倫理的諸課題を見いだし、その解決に向け、多面的・多角的に考察したり、公正に判断し構想したりする過程を重視する。
「公共」での学習などを踏まえ、倫理に関する概念や理論についての理解を深め、それらを活用して、考察する力を求める。
問題の作成に当たっては、倫理的課題の解決に向け、先哲の思想に関する原典など多様な資料や他者との対話等を手掛かりにして、批判的に吟味して思索を深めたり、様々な立場から考察したりする問題などを含めて検討する。
参考【令和6年度】【現代社会・倫理】
【現代社会】
現代社会の課題や人間としての在り方生き方等について多面的・多角的に考察する過程を重視する。文章や資料を的確に読み解きながら基礎的・基本的な概念や理論、考え方等を活用して考察する力を求める。
問題の作成に当たっては、図や表など、多様な資料を用いて、データに基づいて考察し判断する問題などを含めて検討する。
【倫理】
人間としての在り方生き方に関わる倫理的諸課題について多面的・多角的に考察する過程を重視する。文章や資料を読み解きながら、先哲の基本的な考え方等を手掛かりとして考察する力を求める。
問題の作成に当たっては、倫理的諸課題について、倫理的な見方や考え方を働かせて、思考したり、批判的に吟味したりする問題や、原典資料等、多様な資料を手掛かりとして様々な立場から考察する問題などを含めて検討する。
・「公共」では新たに「現実社会の諸課題について理解したり考察したりするために必要な概念や知識に関わる問題」が出題されることが明記された。
・「倫理」の問題作成について令和6年度からの追記として「倫理的課題の解決に向け、他者との対話等を手掛かりにして、批判的に吟味して思索を深める」ことがある。
問題作成方針に関する検討の方向性
【公共、政治・経済】
『公共、政治・経済』では、必履修科目である「公共」と、その履修後に学習する選択科目である「政治・経済」を総合した範囲から出題する。
新学習指導要領に示されている「公共」及び「政治・経済」で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
問題作成方針
【令和7年度】
「公共」は、人間と社会の在り方についての見方・考え方を働かせ、現実社会の諸課題の解決に向け、選択・判断の手掛かりとなる考え方や公共的な空間における基本的原理を活用して、多面的・多角的に考察したり構想したりする過程を重視する。
基礎的・基本的な概念や理論、考え方等を活用し、文章や資料を的確に読み解きながら考察する力を求める。
問題の作成に当たっては、現実社会の諸課題について理解したり考察したりするために必要な概念や知識に関わる問題、多様な資料を用いて考察する問題などを含めて検討する。
「政治・経済」は、社会の在り方についての見方・考え方を働かせ、現代における日本及び国際社会の諸課題の解決に向け、政治と経済を関連させて、多面的・多角的に考察したり構想したりする過程を重視する。
「公共」での学習などを踏まえ、「政治・経済」の学習によって深められた理解を基に政治や経済の基本的な概念や理論等を活用して考察する力を求める。
問題の作成に当たっては、各種統計などの多様な資料、様々な立場に立って話し合う場面等から必要な情報を読み取り、考察する問題などを含めて検討する。
参考【令和6年度】【政治・経済】
現代における政治、経済、国際関係等について多面的・多角的に考察する過程を重視する。現代における政治、経済、国際関係等の客観的な理解を基礎として、文章や資料を的確に読み解きながら、政治や経済の基本的な概念や理論等を活用して考察する力を求める。問題の作成に当たっては、各種統計など、多様な資料を用いて、様々な立場から考察する問題などを含めて検討する。
・令和7年度の問題作成方針では日本及び国際社会の諸課題について、「解決に向け」「考察したり構想したりする」ことが追記された。
・問題の作成に当たっては「様々な立場に立って話し合う場面等から必要な情報を読み取り、考察する問題」も検討される方針である。
数学
問題作成方針に関する検討の方向性
『数学Ⅰ、数学A』及び『数学Ⅰ』については、選択問題を含まず、全てを解答することとする。
『数学Ⅱ、数学B、数学C』については、「数学Ⅱ」は選択問題を含まず、全てを解答することとし、「数学B」及び「数学C」については、4項目のうち3項目の内容の問題を選択解答することとする。従来の『数学Ⅱ・数学B』から出題範囲が増えることに伴い、各大問の分量については、内容と試験時間(70 分)を踏まえて調整する。
これまでの問題作成方針で示されている、「数学的な問題解決の過程」を引き続き重視しつつ、新学習指導要領に示されている、数学の各科目で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
問題作成方針
【令和7年度】
数学の問題発見・解決の過程を重視する。事象を数理的に捉え、数学の問題を見いだすこと、解決の見通しをもつこと、目的に応じて数、式、図、表、グラフなどの数学的な表現を用いて処理すること、及び解決過程を振り返り、得られた結果を意味づけたり、活用したり、統合的・発展的に考察したりすることなどを求める。
問題の作成に当たっては、数学における概念や原理を基に考察したり、数学のよさを認識できたりするような題材等を含め検討する。例えば、日常生活や社会の事象など様々な事象を数理的に捉え、数学的に処理できる題材、教科書等では扱われていない数学の定理等を既習の知識等を活用しながら導くことのできるような題材が考えられる。
参考【令和6年度】
数学的な問題解決の過程を重視する。事象の数量等に着目して数学的な問題を見いだすこと、構想・見通しを立てること、目的に応じて数・式、図、表、グラフなどを活用し、一定の手順に従って数学的に処理すること、及び解決過程を振り返り、得られた結果を意味付けたり、活用したりすることなどを求める。
また、問題の作成に当たっては、日常の事象や、数学のよさを実感できる題材、教科書等では扱われていない数学の定理等を既知の知識等を活用しながら導くことのできるような題材等を含めて検討する。
・令和6年度までの問題作成方針や昨年の11月に公開された検討の方向性から大きな変更はない。
・今回公開された問題作成方針では「問題発見の過程を重視する」ことや「(得られた結果を)統合的・発展的に考察すること」を求めるということが追記された。
・問題の作成に当たっては「数学における概念や原理を基に考察する」ような題材を検討することが追記されている。
理科
問題作成方針に関する検討の方向性
これまでの問題作成方針で示されている、「日常生活や社会との関連を考慮し、科学的な事物・現象に関する基本的な概念や原理・法則などの理解と、それらを活用して科学的に探究を進める過程についての理解など」を引き続き重視しつつ、新学習指導要領に示されている、各科目で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
問題作成方針
【令和7年度】
科学の基本的な概念や原理・法則に関する理解を基に、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象を科学的に探究する過程を重視する。
問題の作成に当たっては、基本的な概念や原理・法則の理解を問う問題とともに、日常生活や社会の身近な課題等について科学的に探究する問題や、得られたデータを整理する過程などにおいて数学的な手法等を用いる問題などを含めて検討する。
参考【令和6年度】
日常生活や社会との関連を考慮し、科学的な事物・現象に関する基本的な概念や原理・法則などの理解と、それらを活用して科学的に探究を進める過程についての理解などを重視する。
問題の作成に当たっては、身近な課題等について科学的に探究する問題や、得られたデータを整理する過程などにおいて数学的な手法を用いる問題などを含めて検討する。
・令和7年度の問題作成方針では「理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象を」科学的に探究する過程を重視することが追記された。
問題作成方針に関する検討の方向性
これまでの問題作成方針で示されている、「科学の基本的な概念や原理・法則に関する深い理解を基に、基礎を付した科目との関連を考慮しながら、自然の事物・現象の中から本質的な情報を見いだしたり、課題の解決に向けて主体的に考察・推論したりするなど、科学的に探究する過程」を引き続き重視しつつ、新学習指導要領に示されている、各科目で育成することとされている資質・能力を一層重視したものとなるよう検討する。
問題作成方針
【令和7年度】
科学の基本的な概念や原理・法則に関する深い理解を基に、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象の中から本質的な情報を見いだしたり、課題の解決に向けて考察・推論したりするなど、科学的に探究する過程を重視する。
問題の作成に当たっては、基本的な概念や原理・法則の理解を問う問題とともに、観察、実験、調査の結果などを数学的な手法等を活用して分析し解釈する力を問う問題や、受験者にとって既知ではないものも含めた資料などに示された事物・現象を分析的・総合的に考察する力を問う問題などを含めて検討する。その際、基礎を付した科目の内容との関連も考慮する。
参考【令和6年度】
科学の基本的な概念や原理・法則に関する深い理解を基に、基礎を付した科目との関連を考慮しながら、自然の事物・現象の中から本質的な情報を見いだしたり、課題の解決に向けて主体的に考察・推論したりするなど、科学的に探究する過程を重視する。
問題の作成に当たっては、受験者にとって既知ではないものも含めた資料等に示された事物・現象を分析的・総合的に考察する力を問う問題や、観察・実験・調査の結果などを数学的な手法を活用して分析し解釈する力を問う問題などとともに、科学的な事物・現象に係る基本的な概念や原理・法則などの理解を問う問題を含めて検討する。
なお、大学入試センター試験で出題されてきた理科の選択問題については、設定しないこととする。
・令和7年度の問題作成方針では「理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、」自然の事物・現象の中から本質的な情報を見いだすことを重視することが追記された。
英語
問題作成方針に関する検討の方向性
高大接続改革の中で、学習指導要領の趣旨を踏まえ、各大学の個別選抜や総合型選抜等を含む大学入学者選抜全体において、「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の総合的な英語力を評価することが求められている。共通テスト「外国語(英語)」は、「リーディング」形式と「リスニング」形式の試験問題を通して、文字や音声による試験の特徴を生かしながら、以下のように可能な限り総合的な英語力を評価する。
・コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、情報や考えなどの概要や要点、詳細、話し手や書き手の意図などを的確に理解する力を引き続き重視する。
・併せて、高等学校において、英語を「聞くこと」・「読むこと」・「話すこと[やり取り]、[発表]」・「書くこと」を統合した言語活動の充実が図られることを踏まえ、情報や自分の考えを適切に表現したり伝え合ったりするために、理解した情報や考えを整理したり、何をどのように取り上げるかなどを判断したりする力を重視する。
・また、コミュニケーションを支える基盤となる音声や語彙、表現、文法等に関する知識や技能についても、上記の力を問うことを通して引き続き評価する。
なお、「リーディング」、「リスニング」ともに、共通テストの問題のレベルは、出題範囲としている科目(「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」及び「論理・表現Ⅰ」)の目標及び内容(言語活動の例、言語の使用場面や働きの例など)等に対応したものとする。その際、多様な受験者の学力を適切に識別できるよう、引き続き、CEFR の概ね A1~B1 レベルを目安として問題のテクスト、使用する語彙、タスクなどを設定し、問題を作成することとする。
問題作成方針
【令和7年度】
高大接続改革の中で、高等学校学習指導要領の趣旨を踏まえ、各大学の個別選抜や総合型選抜等を含む大学入学者選抜全体において、「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の総合的な英語力を評価することが求められている。共通テスト「外国語(英語)」は、「リーディング」形式と「リスニング」形式の問題を通して、文字や音声による試験の特徴を生かしながら、以下のように可能な限り総合的な英語力を評価する。
・コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、情報や考えなどの概要や要点、詳細、話し手や書き手の意図などを的確に理解する力を引き続き重視する。
・併せて、高等学校において、英語を「聞くこと」・「読むこと」・「話すこと[やり取り]、[発表]」・「書くこと」を統合した言語活動の充実が図られることを踏まえ、情報や自分の考えを適切に表現したり伝え合ったりするために、理解した情報や考えを整理したり、何をどのように取り上げるかなどを判断したりする力を重視する。
・また、コミュニケーションを支える基盤となる音声や語彙、表現、文法等に関する知識や技能についても、上記の力を問うことを通して引き続き評価する。
「リーディング」、「リスニング」ともに、共通テストの問題のレベルは、出題範囲としている科目(「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」及び「論理・表現Ⅰ」)の目標及び内容(言語活動の例、言語の使用場面や働きの例など)等に対応したものとする。 その際、多様な入学志願者の学力を適切に識別できるよう、引き続き、CEFRの概ねA1~B1レベルを目安として問題のテクスト、使用する語彙、タスクなどを設定し、問題を作成することとする。
「リーディング」の表記については、現在国際的に広く使用されているアメリカ英語に加えて、場面設定によってイギリス英語を使用することもある。
「リスニング」の音声については、多様な話者による現代の標準的な英語を使用する。また、読み上げ回数については、1回読みと2回読みの両方の問題を含む構成で実施することとする。
参考【令和6年度】
高等学校学習指導要領では、外国語の音声や語彙、表現、文法、言語の働きなどの知識を、実際のコミュニケーションにおいて、目的や場面、状況などに応じて適切に活用できる技能を身に付けるようにすることを目標としていることを踏まえて、4技能のうち「読むこと」「聞くこと」の中でこれらの知識が活用できるかを評価する。したがって、発音、アクセント、語句整序などを単独で問う問題は作成しないこととする。
「リーディング」「リスニング」ともに、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を参考に、各 CEFR レベルにふさわしいテクスト作成と設問設定を行うことで、A1 から B1 レベルに相当する問題を作成する。また、実際のコミュニケーションを想定した明確な目的や場面、状況の設定を重視する。
「リーディング」については、様々なテクストから概要や要点を把握する力や必要とする情報を読み取る力等を問うことをねらいとする。表記については、現在国際的に広く使用されているアメリカ英語に加えて、場面設定によってイギリス英語を使用することもある。
「リスニング」については、生徒の身近な暮らしや社会での暮らしに関わる内容について、概要や要点を把握する力や必要とする情報を聞き取る力等を問うことをねらいとする。音声については、多様な話者による現代の標準的な英語を使用する。読み上げ回数については、英語の試行調査の結果や資格・検定試験におけるリスニング試験の一般的な在り方を踏まえ、問題の数の充実を図ることによりテストの信頼性が更に向上することを目的として、1 回読みを含める。十分な読み上げ時間を確保し、重要な情報は形を変えて複数回言及するなど、自然なコミュニケーションに近い英語の問題を含めて検討する。全ての問題を 1 回読みにする可能性についても今後検証しつつ、当面は1回読みと 2 回読みの両方の問題を含む構成で実施することとする。
グローバル人材の育成を目指した英語教育改革の方向性の中で高等学校学習指導要領に示す4技能のバランスの良い育成が求められていることを踏まえ、「リーディング」と「リスニング」の配点を均等とする。ただし、各大学の入学者選抜において、具体的にどの技能にどの程度の比重を置くかについては、4技能を総合的に評価するよう努めるという「大学入学共通テスト実施方針」(平成29 年7月)を踏まえた各大学の判断となる。
・「コミュニケーション」を行う場面で、情報や考えなどの概要や要点に加え、「詳細」や「話し手や書き手の意図」などを「的確に理解する力」を引き続き重視することが明記された。
・「英語を『聞くこと』・『読むこと』・『話すこと[やり取り]、[発表]』・『書くこと』を統合した言語活動の充実が図られることを踏まえ、情報や自分の考えを適切に表現したり伝え合ったりするために、理解した情報や考えを整理したり、何をどのように取り上げるかなどを判断したりする力を重視する」ということが新たに加えられた。
情報
問題作成方針に関する検討の方向性
新学習指導要領で示されている「情報Ⅰ」で育成を目指すこととされている資質・能力を重視したものとなるよう検討する。
今回公表する試作問題は以下の考えの下で作成した。
・日常的な事象や社会的な事象と情報との結び付き、情報と情報技術を活用した問題の発見・解決に向けての探究的な活動の過程、及び情報社会と人の関わりを重視する。
・社会や身近な生活の中の題材や受験者にとって既知ではないものも含めた資料等に示された事例や事象について、情報社会と人との関わりや情報の科学的な理解を基に考察する力を問う問題などとともに、問題の発見・解決に向けて考察する力を問う問題も含めて検討する。
試作問題の中にあるプログラム表記は、授業で多様なプログラミング言語が利用される可能性があることから、受験者が初見でも理解できる大学入試センター独自の日本語でのプログラム表記を用いた。令和7年度試験問題も同様の方向性で検討する。
問題作成方針
【令和7年度】
日常的な事象や社会的な事象などを情報とその結び付きとして捉え、情報と情報技術を活用した問題の発見・解決に向けて探究する活動の過程、及び情報社会と人との関わりを重視する。
問題の作成に当たっては、社会や身近な生活の中の題材、及び受験者にとって既知ではないものも含めた資料等に示された事例や事象について、情報社会と人との関わりや情報の科学的な理解を基に考察する力を問う問題などとともに、問題の発見・解決に向けて考察する力を問う問題も含めて検討する。
プログラミングに関する問題を出題する際のプログラム表記は、授業で多様なプログラミング言語が利用される可能性があることから、受験者が初見でも理解できる大学入試センター独自のプログラム表記を用いる。
参考【『旧教科「情報」』(令和7年度)】
平成21年3月に告示された高等学校学習指導要領における情報科の選択必履修科目である二つの科目「社会と情報」及び「情報の科学」に対応した問題を作成する。問題は、二つの科目に共通した必答問題とそれぞれの科目に対応した選択問題で構成する。
情報社会と人との関わりや社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響、それらを問題解決の場面などで活用するための知識と技能、及び情報に関する科学的な見方や考え方を重視する。
問題の作成に当たっては、社会や身近な生活の中の題材、及び受験者にとって既知ではないものも含めた資料等に示された事例や事象について、情報社会と人との関わりや情報に関する科学的な見方や考え方を基に考察する力を問う問題などとともに、問題の発見・解決に向けて考察する力を問う問題も含めて検討する。
選択問題としてプログラミングに関する問題を出題する際のプログラム表記は、授業で多様なプログラミング言語が利用される可能性があることから、受験者が初見でも理解できる大学入試センター独自のプログラム表記を用いる。
・「情報と情報技術を活用した問題の発見・解決に向けて探究する活動の過程」や「情報社会と人との関わり」が重視される。
・社会や身近な生活の中の題材を用いて「情報社会と人との関わりや情報の科学的な理解を基に考察する力を問う問題」や「問題の発見・解決に向けて考察する力を問う問題」の出題が検討されている。
06. おもなポイント ― 弊社まとめ ―
「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱」について(通知)
旧教育課程も含めた令和7年度共通テストの実施の趣旨、出題教科・科目等、各大学における利用、利用に係る通知等、実施期日等、実施上の配慮事項等、実施方法等に関する要項が文部科学省から公開された。
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等・問題作成方針・その他について
旧教育課程も含めた令和7年度共通テストの出題教科・科目の出題方法等、問題作成方針、その他(問題冊子・解答用紙、得点調整の実施条件・方法)が大学入試センターから公開された。
実施期日
本試験 令和7年1月18日(土)、19日(日)
各教科の問題作成方針
令和7年度の問題作成方針には「情報を的確に理解したり、より効果的な表現に向けて検討、工夫したりする力」などが求められ、言語活動を重視するとともに、「題材の意義や特質を生かした出題とする」ことが追記された。
令和7年度の問題作成方針には、各科目の「見方・考え方を働かせる」ことや、「事象の意味や意義、特色や相互の関連を、概念などを活用して多面的・多角的に考察する」ことが追記された。
令和7年度の問題作成方針には令和6年度までの問題作成方針や昨年の11月に公開された検討の方向性から大きな変更はないが、「問題発見の過程を重視する」ことや「(得られた結果を)統合的・発展的に考察する」ことを求めること、問題の作成に当たっては「数学における概念や原理を基に考察するような題材」を検討することが追記された。
令和7年度の問題作成方針には「理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象を科学的に探究する過程を重視する」ことが追記された。
令和7年度の問題作成方針には「英語を『聞くこと』・『読むこと』・『話すこと[やり取り]、[発表]』・『書くこと』を統合した言語活動の充実が図られることを踏まえ、情報や自分の考えを適切に表現したり伝え合ったりするために、理解した情報や考えを整理したり、何をどのように取り上げるかなどを判断したりする力を重視する」ことが追記された。
社会や身近な生活の中の題材を用いて「情報社会と人との関わりや情報の科学的な理解を基に考察する力を問う問題」や「問題の発見・解決に向けて考察する力を問う問題」の出題が検討されている。
得点調整の実施条件・方法について
・受験者数が1万人未満であった科目は得点調整の対象にならないが、『情報Ⅰ』と『旧情報』の間については、いずれかの受験者数が1万人未満であっても得点調整の対象となる。
・「15点差以上の平均点差が生じ、かつ、段階表示の区分点差が 20 点以上生じた場合」も得点調整の実施条件になる。
出題方法等
・言語活動を重視し、多様な資質・能力を問うため大問を新たに1つ追加※。
・試験時間は90分(10分増)
・分野別の配点は近代以降の文章110点、古典90点(古文45、漢文45)。
※ 試作問題では、新たな大問の例として、複数の文章や図、グラフを基に、レポートの内容や構成を考える設定の問題を2例紹介。
・数学(2)が「数学Ⅱ、数学B、数学C」になり、試験時間が10分増となることで、数学(1)・(2)ともに試験時間が70分となる。
・「リーディング」「リスニング」形式を通して、「聞く」「読む」「話す」「書く」を統合した言語活動を通して培う総合的な英語力を測ることを重視。
・必履修科目と、それを学んだ後に履修する選択科目を組み合わせて、6つの出題科目を出題。受験者は6つの出題科目のうちから最大2つの出題科目を選択し、解答する。ただし、2つの出題科目を選択する場合、選択不可の組合せがある。
・2024共通テストまでは『倫理、政治・経済』を得点調整の対象に含めていないが、2025共通テストにおいては『旧倫理、旧政治・経済』を得点調整の対象科目とする。
・従来の「理科(1)」、「理科(2)」を一つの試験時間帯の中で「理科」として実施する。
・経過措置科目は設定しないが、必要に応じて、旧教育課程履修者等が選択可能な選択問題を出題する場合がある。
・『情報』が出題教科に追加(試験時間は60分、配点は100点)。
・旧課程「情報」の出題科目の名称はこれまで『旧情報(仮)』だったのが『旧情報』に確定した。
・『情報Ⅰ』と『旧情報』の間では、いずれかの受験者数が1万人に満たない場合も、得点調整の対象とする。
経過措置
・全ての受験者は、新課程の教科・科目の内容による試験を受験するのが原則であるが、新教育課程を履修していない入学志願者に対しては、経過措置を講じる。
・旧教育課程による出題科目を受験できる者は、旧教育課程履修者等のうち希望する者とする。
・地理歴史、公民のみ、経過措置問題を解答するか、通常の科目を解答するか、出願時に申請が必要。
07. おすすめの問題集
- 基礎事項の深い理解を通して、確かな学力を身につけることを目指す『進研WINSTEPシリーズ』。2022年度よりスタートする教育課程に対応し、新課程版としてリニューアルいたしました。難易度・目的・時期などに応じて様々な教材をご用意しております。
- 分野別・テーマ別の学習で、弱点分野を早い段階から克服できる教材です!高校2年生3学期指導からの共通テスト対策指導にもお使いいただけます。
-
共通テストで必要な得点力を養成し、全体の中での位置を引き上げる。
1.共通テストの出題予想を踏まえた実戦テスト形式で、得点力の養成に!
2.出題テーマ、形式、難易度などバランスのとれた構成で、共通テスト対策の仕上げに!
3.共通テストの特徴と学習対策、予想問題、わかりやすい解答解説で、「十分に対策できた」という達成感が、試験会場での自信に!
08. 2025年 新課程 関連記事まとめ
- 2025年大学入学共通テストに関連する人気のWeb記事一覧です。大学入試センターや各大学の発表内容に合わせて記事を作成していますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
〈公開中!〉2025年共通テスト 実施大綱の予告・補遺まとめ
〈Web会員限定!〉2025年(令和7年)新課程共通テスト試作問題の分析を踏まえた対策指導
2023年7月4日 公開
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