研究会レポート(国語)『2022大学入学共通テストの問題分析のご報告と指導事例』

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2022年2月26日 開催 研究会レポート(国語)
『2022大学入学共通テストの問題分析のご報告と指導事例』

2022年2月26日(土)、埼玉県立大宮高等学校・田中淳一先生をお招きし、オンラインにて「2023大学入学共通テストに求められるチカラとは」を開催いたしました。ご講演の内容をレポートいたします。

研究会の詳細

講師紹介

田中 淳一先生
埼玉県立大宮高等学校 教諭。
大学卒業後、北海道公立高校教員、大学院進学を経て、埼玉県公立高等学校教員として採用される。進路多様校、総合学科高校、現任校と埼玉県で3校経験。 大宮高校では、共通テスト一回目となる入学生の学年主任として持ち上がり、送り出した。現在は、進路指導主事(3年生も担当)。 教科は国語科。校外では、埼玉県立総合教育センター中堅教諭等資質向上研修(10年次研修)講師、共通テスト、大学入試参考書等の執筆協力も行う。

研究会

研究会 2023大学入学共通テストに求められるチカラとは
~2022大学入学共通テストの問題分析のご報告と指導事例のご講演~
講師 埼玉県立大宮高等学校 田中 淳一
日時 2022年2月26日(土)14:00~16:00
対象 2023大学入学共通テストをご指導される高等学校の先生
開催形式 ZoomでのLIVE配信

研究会レポート

講演の主な内容

・2022年度共通テスト問題分析
・2023年度共通テストに向けて ~3つの必要なこと~
・現2年生の先生方へ
・田中先生メッセージ ~期待される人材を育てていく~

2022年度共通テスト問題分析

最初に、2022年1月に実施された共通テスト国語の全体的な感想について、田中先生にお話をしていただきました。評論の文章の難易度自体は、高校入試等で出題されている評論文の方が難しいこともあると田中先生はお感じになられたそうです。しかし、今回のように複数資料として重ねて出題されると、時間がとられ、難しかったのではないかとお伝えいただきました。

その後、共通テストの細かい問題分析、生徒向けに配布されたプリントの提示や、過去に同一資料から出題された大学など、興味深く、ためになるお話をしていただきました。

詳しい解説につきましては、下記より録画映像をご覧ください。

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2023年度共通テストに向けて ~3つの必要なこと~

共通テストに向けて必要なことは、「基礎基本の定着」「基本的学力を基盤にした考察」「情報の処理能力」の3つであるとお伝えいただきました。

「基礎基本の定着」

まず、第一に「基礎基本の定着」だということです。田中先生ご自身は、第1回共通テストの際にさまざまな情報が交錯したものの、基礎基本を定着させることに注力されたそうです。実際に第1回共通テストの際、生徒は混乱せず力を発揮できたそうです。

基礎基本とは具体的には、現代文では、漢字語句の知識、文章を理解する力、表現する力(記述力)、自分で解答を構築する力。古典では、単語などの基礎知識の定着、文学史や文化の知識などだそうです。

「基本的学力を基盤にした考察」

次に、「基本的学力を基盤にした考察」ですが、「文章を読み取り、解答を記述できる力」が基本となります。

授業では、テキストをもとに自分で考え、生徒同士で話し合い、発表の時間を取るといいのではないかとお伝えいただきました。他にも、教員の与え方や広がりはアイディア勝負ではないかともお伝えいただきました。

「情報の処理能力」

そして、やっかいなのがいわゆる地頭と言われる「情報の処理能力」だそうです。まずは授業、定期テスト、問題集などで複数資料に慣れることが大切だそうです。教員が誘導しながら、情報の取りかたへ慣れることが必要ではないかとお伝えいただきました。

これらの3つの力を身に着けるために、問題集の活用もお勧めしてくださいました。田中先生ご自身は理系の古典で『重要問題集』をご使用されたそうです。掲載知識が細かすぎるなどのデメリットもお伝えいただきましたが、知識が絡む問題など、様々な形の問題が掲載されているので共通テストの形式に慣れることができて良かったとお感じになられたそうです。

現2年生の先生方へ

2023年度共通テストへ向けての実践としては、新しい流れの可能性を示し、「何が出ても驚かない耐性」をつけることだそうです。そして、「読解する基礎力の育成」です。コロナ禍ですが、どれだけ授業の中で理解させるか、いかに楽しく興味を持たせる工夫ができるかがポイントだとお伝えいただきました。

また、「アクティブラーニングの必要性」についてもお伝えいただきました。ただし、アクティブラーニングばかりでもいけないと田中先生はお感じになられているそうです。講義や作業を通した基礎基本の定着とのバランスが大事だとお伝えいただきました。

そして、共通テストの問題作成方針は必ず読んでおくことだともお伝えくださいました。問題作成方針では、『社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面、資料やデータ等を基に考察する場面など、学習の過程を意識した問題の場面設定を重視する』と明記されていますので、この方針をいかにうまく取り入れていくか考えていかなければいけないとお感じになられているそうです。

田中先生ご自身も、これまでに培ったものを有効に使い、生徒に総合的な力を身に着けさせられるように新しいものを取り入れて行こうとお考えになっているそうです。

田中先生メッセージ ~期待される人材を育てていく~

『社会がどんどん変化していますが、生徒はこちらの予想以上に柔軟です。教員がいかに変化の方向性を指し示せるかを考えていかなければいけないと感じています。そんな中で卒業生が社会で活躍する姿を見ると、元気づけられます。そしてこれから羽ばたく生徒たちが、いかに新しいものを生みだしてくれるかにも期待しています。期待される人材を育てていくという責任は重大ですが、同時に楽しみでもありますね。大変な中ですが、お互いに身体に気を付けて頑張りましょう!』と熱いエールで締めくくられ、研究会は大盛況に終わりました。

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2022年 2月26日 開催
2022年 4月11日 公開

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