指導事例:進研模試の結果を踏まえた個別最適な学びの促進

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指導事例:進研模試の結果を踏まえた個別最適な学びの促進

指導事例レポート

さまざまな学校課題や指導テーマに対して、指導を工夫されている先生方に取材を行い、その実践をご紹介するベネッセの指導事例レポート。今回は進研模試の結果を踏まえた個別最適な学びの促進について、愛媛県立八幡浜高等学校にヒアリングいたしました。これからの共通テスト・進路実現に向けた大学受験指導のご参考になれば幸いです。

学校紹介

四国地区
愛媛県立 八幡浜高等学校
公立・共学/1学年:普通科4クラス・商業科1クラス
主な進路状況(2022~2024年度)
国公立大:東京工業大、名古屋大、大阪大、神戸大、九州大、広島大、岡山大など
私立大:早稲田大、MARCH、関関同立など

進研模試の結果を踏まえた個別最適な学びの促進

進研模試の結果を見て、生徒たちの学力差の広がりに頭を悩ませる。そんな全国の高校で繰り返される光景の中で、確実な成果を上げているのが愛媛県立八幡浜高等学校です。

同校では、生徒に持たせる問題集は、全員が同じ問題集を使用し、生徒間の不要な競争意識や劣等感を生まないように配慮。

模試の結果から学年全体の弱点を把握し、基礎・標準・応用レベルの問題を網羅したオリジナルの問題集『オーダー問題集(オーダーシステム)』を導入し、生徒の偏差値帯別に弱点補強ができるように解くべき問題を一覧化した該当番号表を作成しました。

導入後、1年生の7月から1月にかけて偏差値60以上の割合が30%から46%へと急増し、50未満の生徒は目に見えて減りました。

背景と課題

生徒の学力差が拡大傾向に

国公立難関大から専門学校、就職まで生徒の進路が多岐にわたる同校では、生徒間の学力差が年々広がっていました。

全員に同じ長期休業課題を出す一律の指導では、上位層には物足りず、下位層は解けないために解答をただ書き写す「写経」の状態に陥るのが課題でした。この状況を打破するため、それぞれの学力にぴったり合う問題を選んで与え、自ら机に向かわせる仕組みとして『オーダー問題集(オーダーシステム)』の導入を決めました。

1年間のロードマップ「長期休業課題の狙いと設計」

八幡浜高等学校では、1年生の夏・冬・春の節目ごとに明確な意図を持ってオーダーシステムを動かしています。

夏課題「高校数学の土台を固めて習慣をつくる」

入学して初めて迎える長期休業では、1学期の学習内容を体に染み込ませ、計画的に勉強するリズムを身につけさせます。

狙い
演習不足による取りこぼしを防ぎ、1学期を総復習する。

工夫
教科書や傍用問題集に載っていない問題を厳選し、全員が共通して取り組める内容で作成。休み明けの「課題テスト」の範囲と直結させてやる気を促しました。

冬課題「模試のデータから一人一人の課題を切り出す」

11月の進研模試を終え、広がった学力差を埋めるためにオーダーシステムが最も力を発揮したのがこの冬の設計です。
模試の偏差値、定期考査の点数、授業態度、課題の提出状況を総合的に見て、生徒を3つのグループに分類。ここで、運用の大きな工夫が光ります。

狙い
7月と11月の模試で明らかになった、学年全体が苦手とする分野を集中して補強する。

工夫

Point.1  プライドを傷つけない「1冊の共通問題集」

基礎から応用までをすべて網羅したオリジナル問題集を1冊作り、全員に同じものを配りました。レベルごとに冊子自体を分けないことで、生徒の間に不要な劣等感や壁を作らないよう配慮しています。

Point.2  アナログだからこそ生まれる「挑戦心」

学習状況に合わせた「該当番号表(解くべき問題の一覧)」を渡しますが、指定された場所以外の問題を解くのも自由としました。デジタル(AI)のように解く問題を画面上で限定しないため、ページをめくれば上のレベルが目に入ります。「次はあっちに挑戦してみたい」という、アナログならではの良さが生徒の背中を押しました。

Point.3  最上位層をさらに伸ばす

学力上位の生徒には、共通問題集の指定番号に加えて、進研模試の文章題や記述式の応用問題を別枠で提示し、より高い学力を目指せる環境を作りました。
また、応用問題の解説動画も作成。授業外でも自主的に学習できる環境を整えました。

春課題「数学Ⅰ・Aを網羅し、2年生のスタートダッシュにつなげる」

1年間の締めくくりとして、1月の進研模試の結果を反映。2年生の学習へスムーズに繋げるための設計です。

狙い
数学Ⅰ・Aの全分野を漏れなく復習する。

工夫
全員が絶対に落とせない、数学Ⅰ・Aの基礎基本のみを『オーダー問題集(オーダーシステム)』から選定し、応用問題については、模試の偏差値帯別で個別に課題を提示しました。

成果

データが証明する学力向上と意識の変化

生徒の心理に寄り添い、仕組みを整えたことで、数字と行動の双方に変化が生まれました。

進研模試の偏差値推移

それぞれの力に合う課題を示したことで、中下位層の底上げと上位層の引き上げが同時に達成されました。

7月 11月 1月
偏差値60以上の割合 30% 41% 46%
偏差値50未満の割合 23% 26% 20%

「写経」がなくなり、自分で解く楽しさを知る

今の実力に合った分量と難易度になったことで、答えを丸写しする無駄な時間がなくなりました。「自分で解ける、わかる」という実感がモチベーションを支え、長期休業が終わった後も、自ら進んで学習に向かう生徒が増えています。

編集後記

ベネッセ担当営業から
八幡浜高等学校の事例が教えてくれるのは、「個別」を追求しながらも「全員で同じ本を持つ」という一体感を残すことの大切さです。

自動で問題が変わるデジタルツールは便利ですが、時に生徒へ「自分はこのレベルから抜け出せない」という見えない限界を感じさせてしまうこともあります。同校の「該当番号表」方式であれば、生徒のプライドを守りながら、「次はあの問題に挑もう」という上を目指す気持ちを引き出せます。

模試のデータを、ただの結果発表で終わらせない。次の一手の宿題へと直結させ、生徒が無理なくステップを上がっていける環境を「オーダーシステム」で整えてみませんか。

2026年7月16日 公開

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