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先日、高等学校新学習指導要領における「指導と評価(観点別評価)」に関する社内向け研究会を行い、三田国際学園中学校・高等学校の大野智久先生にご講演いただきました。当日は、編集・営業問わず多くの社員が参加し、それぞれの業務で学校現場のお役に立てるように理解を深めました。
今回はそのご講演の一部を報告いたします。ご参考になれば幸いです。
高等学校新学習指導要領 指導と評価(観点別評価)
「何を測るか」「なぜ測るか」といった基盤となる部分から考え始める
まず、評価を考えるということは、「どのように測るか」といった方法を考えることだけでなく、「何を測るか」「なぜ測るか」といった基盤となる部分から考え始めることが大切になるとお話しいただきました。
評価について学ぶということは、その大前提となる目標や、そこからデザインされる活動について考えを深めていくことにもつながるため、教材編集という立場の私たちにとっても大変意義のあるものだと改めて実感しました。
「学びに向かう力」はPDCAサイクルで数値化できる
次に「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「学びに向かう力、人間性」の3観点のうち、「人間性」の部分は数値化(評価)に向かないが、「学びに向かう力(主体性・意欲)」はPDCAサイクルで数値化(評価)できるということも示していただきました。その場合、フィードバックが大変重要になるそうです。また、サイクルにおいては「質」、「速さ」も大切です。
選択肢が「主体性」と「自己調整力」に繋がる
さらに、生徒さんたちの主体的な学びをサポートするためには、提供する教材の活用方法において、「選択肢」をいくつか設けることが有効だとも教えていただきました。その選択肢が「主体性」と自らの学習を調整しようとする「自己調整力」に繋がるという発想です。
「自己調整力」がつくと、戦略的に学習を進めることができ、教科学力が向上したり、学び方を学び、あらゆる場面で活用可能になるそうです。
編集後記
2021年8月18日 公開
板垣
「主体性の評価」という、抽象的に思われていた内容ですが、大野先生に具体的な例やPDCAサイクルとの関連づけがされたご説明をいただき、イメージをつかむことができました。
また、この後は、「生物基礎/生物」の新課程のポイントについてもお話をお聞かせいただきました。新学習指導要領の「見いだして」「関連づけて」という表記からもわかるように、「教える」から「学ぶ」への質の転換が起こっています。生徒さんたちに「見いだす力」「関連づける力」をつけていただくためにはどんな教材がよいかを引き続き、検討していきたいと思います。この勉強会で得られた学びや気づきを磨いていき、今後も生徒さんたちの学びをサポートし、先生方の指導をご支援できる教材を開発してまいりますので、ご期待ください。
大野先生、ありがとうございました。