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【令和5年7月4日更新】2025年の共通テストに関する最新情報をこちらにまとめております。
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2025年共通テスト 実施大綱の予告・補遺まとめ
新課程共通テストに関する最新情報を「2025共通テスト情報まとめ」としてお届けします。
7月30日に、文部科学省から、2025年新課程共通テストの「実施大綱の予告」が公表されました。今般、「実施大綱の予告」に続いて「実施大綱の予告(補遺)」が公表されました。その内容をお伝えいたします。
2025年 新課程共通テスト「実施大綱の予告」~「予告(補遺)」
2025年共通テスト「出題教科・科目案」のポイント
- 出題教科に「情報」が新設される。
- 出題科目のスリム化。例えば、「物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎」は、従前の「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」の4科目をまとめて1科目として出題される。
- 各大学の共通テストの出題教科・科目の利用方法によっては、地理・歴史・公民の3つを課すことも可能になる。
- 2025年の共通テストは紙で行われる。なお、CBTに関する調査研究は引き続き行われる。
- 2025年の共通テストでは、出題する教科・科目の内容に応じて、旧課程履修者に対する配慮から必要な措置がとられる。
2021年3月、大学入試センター
2025年共通テスト「実施大綱の予告」のポイント
基本的には「出題教科・科目案」を踏襲。
- 出題教科「情報」の出題科目は「情報Ⅰ」に決定。
- 複数の科目をまとめて1科目として出題される「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「公共、倫理」「数学Ⅱ、数学B、数学C」「物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎」などは、1出題科目と称される。
- 地理歴史、公民の2科目受験の組合せパターン表が示される。
- 試験形態は、問題冊子およびマークシート式解答用紙を使用し、紙で実施するものとする。
- 「出題科目の試験時間」「経過措置」については、決定次第速やかに公表される予定。
2021年7月、文部科学省
2025年共通テスト「実施大綱の予告(補遺)」のポイント
「出題科目の試験時間」「経過措置」について補遺。
- 「出題科目の試験時間」が明らかになり、国語は現行の共通テストより10分延長して90分、数学(2)は現行の数学(1)と同じ70分、情報Ⅰは60分で実施。その他の科目は現行の共通テストの時間を踏襲。
- 「経過措置」が明らかになり、指導要領が大きく変わる、情報Ⅰ、地理歴史、公民、数学で「経過措置」を実施。
- 大学入学共通テストは2日間で実施される。
2021年9月、文部科学省
2025年 新課程共通テスト「実施大綱の予告(補遺)」
1. 試験時間
各教科・科目の試験時間は次のとおりとする。
「国語」については、「現在測定している内容を維持した上で多様な文章を提示する」(思考力を測るため問題の分量を増やす)予定で、試験時間は現行の共通テストより10分延長。
「数学(2)」については、現行の共通テストより10分延長で、現行の数学(1)と時間を統一。
「情報Ⅰ」については、60分で実施。その他の科目は現行の共通テストの時間を踏襲。
2. 経過措置
2021年度の高1生は要注意(既卒生になった場合のことです)。
次のとおり経過措置科目を出題することとし、その詳細については、大学入試センターにおいて定めるものとする。
「情報Ⅰ」については、現行の教育課程における選択必履修科目「社会と情報」「情報の科学」に対応する経過措置を講じる(既卒者が選択可能な経過措置問題を作成する)こととする。経過措置科目を出題するか、「情報Ⅰ」の試験問題の中に選択解答できる問題を出題するかは、今後、大学入試センターにおいて検討する。なお、 2023年度中に「情報Ⅰ」の試作問題(経過措置問題を含む)を公表する。
理科については、新教育課程および現行の教育課程の間で、指導要領や教科書において扱いが異なる内容に関しては、必要に応じて、現行の教育課程履修者が選択解答可能な問題を出題する場合がある。
なお、2026年以降は、いずれの教科・科目も経過措置は行われない。
2025年 新課程共通テスト 出題教科・科目案(2021年3月、大学入試センター)
現行の6教科30科目から、7教科21科目に再編。
※変更科目のみ掲載。
2021年3月、大学入試センター
2025年 新課程共通テスト「実施大綱の予告」
出題教科・科目について
・試験形態は、問題冊子およびマークシート式解答用紙を使用し、紙で実施するものとする。
・この形態に加え、外国語の『英語』については、ICプレイヤーを使用する試験も実施するものとする。
・数学については、(1)および(2)の出題科目のグループごとに試験時間を分けるものとする。
地理歴史・公民における出題科目を選択する場合の選択方法について
地理歴史および公民については、以下のとおりとする。
ア 6出題科目のうちから最大2出題科目を選択。
イ 「地理総合、歴史総合、公共」を選択する場合については、出題範囲(「地理総合」、「歴史総合」、「公共」)のうち、いずれか2科目(「地理総合」および「歴史総合」、「地理総合」および「公共」、「歴史総合」および「公共」)の内容の問題を選択解答。
ウ 2出題科目を選択する場合においては、以下の組合せ以外の出題科目の組合せを選択。(下図参照)
・「公共、倫理」と「公共、政治・経済」の組合せを選択することはできない。
・「地理総合、歴史総合、公共」を選択した者は、選択解答した問題の出題範囲の科目と同一名称を含む科目の組合せを選択することはできない。
地理歴史・公民における2出題科目を選択する際の注意点
選択履修科目(地理探究、日本史探究、世界史探究、倫理、政治・経済)を含む5出題科目から2出題科目を選択する場合。
→ 地歴科目はどの組合せでも選択できる。
「歴史総合、日本史探究」と「歴史総合、世界史探究」の2出題科目も選択できるので、それぞれの「歴史総合」の問題は異なるものであると考えられます。
→ 公共を含む2出題科目の選択は不可。
「公共、倫理」「公共、政治・経済」の2つを選べないことから、それぞれの「公共」の問題は同じものであると考えられます。
「地理総合、歴史総合、公共」を含む6出題科目から2出題科目を選択する場合。
→ 「地理総合、歴史総合、公共」で選択解答した2科目とは異なる名称の科目を含む出題科目を選択する(結果として、必履修3科目をすべて解答することになります)。
例)「地理総合、歴史総合、公共」で、地理総合と歴史総合を選択解答したら、もう1出題科目は「公共、倫理」か「公共、政治・経済」を選択する。
理科の科目選択
これまで基礎科目は4科目「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」から2科目を選択としていたのを、新課程共通テストでは「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」を1出題科目とし、このなかから2分野を選択することになります。
科目の括りが変わっただけで、科目選択には影響はありませんが、理科の時間割が現行から変わります。
理科の時間割
現行課程では、基礎科目と4単位科目とで時間割のコマが異なっていましたが、新課程では基礎科目と4単位科目が同じコマで実施されることになります。
浮いたコマが「情報Ⅰ」(60分)に充てられることが考えられます。
具体的な出題教科・科目(2021年3月、大学入試センター)
国語
出題範囲は「現代の国語」と「言語文化」の内容で、近代以降の文章(論理的な文章、実用的な文章、文学的な文章)と古典(古文、漢文)を扱う。
地理歴史・公民
公民の出題科目は、「公共、倫理」、「公共、政治・経済」の2科目。
地理歴史と公民を組み合わせた科目として、「地理総合、歴史総合、公共」の1科目。
※出題科目の選択方法は以下のとおり。地理歴史および公民で一つの試験時間帯とし、上記6科目から最大2科目を選択。
※「地理総合、歴史総合、公共」は、いずれか2科目の内容の問題を選択解答。
※ただし、「公共、倫理」と「公共、政治・経済」の組合せは選択できない。
※また、「地理総合、歴史総合、公共」で選択解答した科目と同一名称を含む科目組合せを選択することはできない。例えば、「地理総合、歴史総合、公共」で「地理総合」と「公共」の問題を選択解答した場合、「地理総合、地理探究」、「公共、倫理」および「公共、政治・経済」を選択できない。
数学
※「数学Ⅰ、数学A」のうち、「数学A」については、2項目の内容(図形の性質、場合の数と確率)に対応した出題とし、全てを解答。
※「数学Ⅱ、数学B、数学C」のうち、「数学B」については、2項目の内容(数列、統計的な推測)、 「数学C」については、 2項目の内容(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)に対応した出題とし、このうち3項目の内容の問題を選択解答。
※出題科目を次の2つのグループに分け、それぞれ別の試験時間帯とし、グループ①においては以下のうちの1科目を選択させる。
グループ(1):『数学Ⅰ、数学A』『数学Ⅰ』
グループ(2):『数学Ⅱ、数学B、数学C』
理科
「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」の出題範囲は、「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」の内容。
「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の出題範囲は、それぞれ「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の内容。
※「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」は、「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち、いずれか2科目の問題を選択解答。
※出題科目の選択方法については以下のとおりとし、理科で一つの試験時間帯とする。
A:「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」において2科目の問題を選択。
B:「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の4科目から1科目を選択。
C:「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」において2科目の問題を選択、並びに 「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の4科目から1科目を選択。
D:「物理」、「化学」、「生物」、「地学」の4科目から2科目を選択。
外国語
「英語」の出題範囲は、「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」、「論理・表現Ⅰ」の内容。
※「英語」の試験形態は、引き続き、問題冊子、マークシート式解答用紙およびICプレーヤーを使用して実施する方式とする。なお、ICプレーヤーを使用して実施する試験は「英語」で、別の試験時間帯で実施。
⇒ 引き続き、「英語(リスニング)」が実施される模様。
※「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」は受験者数が極めて少ないなどの課題から、将来的には出題について検討。
情報
出題範囲は、「情報Ⅰ」の内容。
また、「情報」で一つの試験時間帯とする。
専門学科に関する科目
2021年3月、大学入試センター
2025年 新課程 入試に向けたスケジュール
ここまでのスケジュール
公表された日時 | 公表された情報 | 発信元・参考資料 |
---|---|---|
2020年10月 | 2025年新課程共通テストの出題教科・科目の検討案 |
大学入試センター |
2021年3月 | 2025年新課程共通テストの具体的な出題教科・科目案と、「歴史総合」「地理総合」「公共」「情報」のサンプル問題 |
大学入試センター 「平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について」 令和7年度以降の試験|大学入試センター |
2021年7月30日 | 2025年新課程共通テスト「実施大綱の予告」 |
文部科学省 「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告」及び「令和7年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」について(通知) 同 別紙1 |
2021年9月29日 | 2025年新課程共通テスト「実施大綱の予告(補遺)」 |
文部科学省 「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告(補遺)」について(通知) |
2021年10月1日 | 「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストに関する検討状況」 |
文部科学省 令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストに関する検討状況について |
今後のスケジュール
※「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストに関する検討状況」(2021.10.1、大学入試センターより)
〇地理歴史、公民、数学、情報
科目構成が大きく変わる地理歴史、公民、数学と、新たに出題教科として設定される情報については、各出題科目の全体の構成がわかる試作問題(配2点付き)を作成します。
なお、情報については、令和7年度共通テストから新たに出題する教科であり、現行の共通テストにおいて対応する科目を出題していないため、現行の教育課程履修者が学習している「社会と情報」及び「情報の科学」に対応した試作問題も作成します。
〇国語
多様な文章を提示し、より思考力・判断力・表現力等を発揮して解くことが求められる問題を重視した出題を一層工夫していく観点から、問題量を増やす方向で問題作成の方向性や構成等を検討します。
〇英語(外国語)
引き続き「読むこと」「聞くこと」(IC プレーヤーを使用)を中心としつつ、高等学校までの教育で培った総合的な英語力を可能な限り評価できるよう、問題作成の方向性を検討します。
2025共通テストについて、「問題作成の方向性」→「出題方法と問題作成方針」→「実施要項」と、順次具体化して示されるのは、2021共通テストのときと同様です。
2025共通テストでどのような問題が出されるかを考える際は、「問題作成の方向性」で出題のねらいや意図をしっかり読み解いていくことがポイントになります。
2021年10月 8日 公開
2023年 6月12日 更新
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