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研究会の詳細
2022年11月5日(土)、広島市立舟入高等学校 佐伯 佳祐先生をお招きし、オンラインにて『これからの地理総合・歴史総合・公共のご指導を考える会』を開催いたしました。ご講演の内容をレポートいたします。
講師紹介
研究会レポート(歴史総合)
講演の主な内容
- 歴史総合の授業について
- 観点別評価について
- 持続可能な実践のために
歴史総合の授業について
構成主義的な授業観・学習観について
歴史総合の授業を構想するにあたって、一番不安だったのは「入試に対応できるのか?」ということです。サンプル問題(2021年3月公表)を解いてみて、知識は結構必要であり、それを歴史総合の授業だけでカバーするのは難しいと感じました。一方、当時担当していた旧課程「世界史B」の履修者が資料読解力や概念的理解を習得していれば、容易に解ける問題だとも感じました。そこから、歴史総合の授業内で歴史総合の入試対策を終わらせるのではなく、世界史探究まで含めた3年間という視点で総合的に能力を涵養すればいい、むしろ「今までの世界史Bになかったプラス2単位が与えられているんだ」という発想が生まれました。「2単位で終わらせられるか?(内容を教えきれるか)」という内容ベースの考え方から、「2単位で何ができるようになるのか」という資質能力ベースの考え方に変えるほうがうまくいくのではないかと思うようになりました。そこで、1年生では資料読解スキルや概念理解をしっかり身に付け「歴史とは何か」を考える授業を目指すことにしました。
観点別評価について
所属する自治体では「知識及び技能」「思考・判断・表現等」「主体的に学習に取り組む態度」を100点法で評価し、3観点の平均から10段階評価を出すことになっています。「知識及び技能」は定期考査の素点で、「思考・判断・表現等」は授業の成果物と定期考査の記述問題で、「主体的に学習に取り組む態度」は「単元シート」を作成して、それぞれ評価することとしました。
定期考査では人物や事件名といった単純な用語的知識を問う出題は一切しないこと生徒に明言しています。実際に、資料の取り扱いや概念理解に絞って出題しました。
これを100点法で評価する必要があるため、単元シートへの記述自体に項目別の評価基準を設定し、ルーブリック評価によって点数を出すことにしています。
評価というのは、教師も生徒も「次の学びに活かす」ことが目的だと考えています。生徒にとって「何を頑張ればどこの評価が上がるか」がわかりやすいことがよいのではないかと考え、現時点ではこの評価方法を採用しています。
持続可能な実践のために
多忙な教師の限られた時間とエネルギーという制約の中、新課程に立ち向かっていくのは非常に難しいことです。一人では絶対に無理だと考えています。私も他の先生の実践を真似したり、アドバイスを受けたりしながら進めています。今回の実践も、そのような土台があってつくられているものです。ぜひより多くの方と交流して、集合知を築いていきたいと思っています。
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研究会を終えて
本研究会にご参加いただいた先生方からご感想をいただきました。
- 関東地区
S高等学校
M先生
歴史総合について、どうしても受験との関係は考えておかねばならず、そのためにも探究との連携を重視しなければならないとお話を伺って改めて感じました。
- 北海道・東北地区
H高等学校
S先生
教科書を全て終わらせるのではなく、資質能力を伸ばすという考え方に自信を持てなかったですが、先生方のお話を伺って自信を持って進めていこうと思いました。
2022年11月 5日 取材
2022年12月 6日 公開
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N高等学校
N先生
佐伯先生の授業実践や授業評価など聞きたいことが聞けました。どれも実践的で非常に分かりやすかったです。ありがとうございました。