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2023年7月22日 開催 研究会レポート(英語)
『共通テスト直前期指導を考える会 ~3年生2学期からの取り組み~(英語)』
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2023年7月22日(土)、長崎県立長崎東高等学校・一ノ瀬憲二先生、岡山県立岡山芳泉高等学校・田野雅人先生をお招きし、オンラインにて『共通テスト直前期指導を考える会 ~3年生2学期からの取り組み~(英語)』を開催いたしました。ご講演の内容をレポートいたします。
研究会の詳細
講師紹介
研究会
研究会 | 『共通テスト直前期指導を考える会 ~3年生2学期からの取り組み~(数学)』 |
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日時 | 2023年7月22日(土) |
対象 | 全国の高等学校・中高一貫校(中等教育学校)の先生 |
開催形式 | ZoomでのLIVE配信 |
研究会レポート
講演の主な内容
・共通テスト指導事例:長崎県立長崎東高等学校 一ノ瀬憲二先生
・共通テスト指導事例:岡山県立岡山芳泉高等学校 田野雅人先生
・一ノ瀬先生×田野先生ご対談
共通テスト指導事例:長崎県立長崎東高等学校 一ノ瀬憲二先生
もがいた生徒の共通テスト本番までの伸び
長崎東高等学校の6月のマーク模試のリーディング結果と、その後の共通テスト本番のリーディング点数の伸びですが、6月マーク模試(全国平均41点・校内平均53点)で、40~49点のゾーンの生徒は本校には51名いて、共通テスト本番では平均13点伸びていました。問題は30~39点のゾーンをどう伸ばすかですが、ここは25名が平均19点伸びていました。一番伸びた生徒では39点から83点と、44点の伸びを発揮してくれました。今日、私からは「もがく」をメインメッセージにして取り組みをお伝えしたいと思います。
目標から逆算してシラバスを作成
本校で作っているシラバスは二次試験での英語の有無などによって5種類あり、4月に生徒に配布しています。リスニングは、11~12月の放課後毎日30分間一斉放送で練習しています。ここでリスニングだけでなくリーディングの速読力も伸びています。また、生徒には、一度読んだ長文をしっかり読み直している生徒は伸びていく。逆に一度解きっぱなしで復習をしない生徒は伸びていかないよという話も共有しています。
「生徒は何が苦手なのか?」を把握する
生徒の苦手な要因は、(1)語彙(単語・熟語)、(2)文法・構文、(3)情報分析・要点の整理、(4)選択肢の吟味、(5)時間管理(スピード)の5点だと感じます。初期の10~11月にかけては、授業の中で問題を解き、教員は生徒の様子を確認しながら苦手な箇所を把握します。その後解説をし、復習あるいは家庭学習につなげる授業展開にしています。また本校では共通テストが終わった翌月曜日には「再現マークシート」を作成しています。生徒の苦手を把握するようにし、次の年の対策に使う形にしています。
和訳や音読の他、クローズテスト(共通テストに対応したもの)による反復等でトレーニングしています。クローズテストは点数別に生徒の共通テスト結果を紐づけて蓄積してあるので、生徒の状態から逆算して行えます。トレーニングは、それぞれの生徒が自分の必要に応じた活動を選択し、もがいて頑張っています。
おわりに
生徒には色々な活動の中でもがきながら、自分に不足しているトレーニングに気づき、選び、最適な英語学習を確立し、成長することを期待しています。中でもシラバスはしっかり4月に見せ、系統的に複数の学習活動を組み込んであげるのが大切だと考えています。また、教科面談も大切にしています。2学期は時間管理下での演習、そして重要事項の教示と目の付けどころをしっかり解説してあげること。それらを良質な復習につなげられるように考えてこれからも授業構成をしていきたいと思っています。
共通テスト指導事例:岡山県立岡山芳泉高等学校 田野雅人先生
生徒が自分の課題に対して適切なトレーニングを選ぶ
昨年と比べて、共通テストリスニングの平均点は上がりましたが、実感として大問5、6の「技能統合型タスク」の問題ができていませんでした。技能統合型タスクは、指導しづらい問題だと思います。理由は、生徒ができていない場所の特定が困難だからです。また、生徒たちはそれぞれ課題が違うので、自分の問題点を把握し、課題に対して適切なトレーニング方法を選ぶ要素が必要だと感じます。だからこそそれぞれの生徒が自分の力に合わせた活動を授業に組み込めるように努力しています。
生徒ごとの問題点の把握
リスニングでは、流れてきた音声を聞く、その音声を文字情報として残す、それを元にしてあるいは記憶をもとにして問題を解く、という3つの作業を同時並行的にやっています。解答を間違ったからといって、このタスク3つすべてが間違っているわけではありません。タスクを間引いていき、どこで間違ったのか特定するのが大切ですごく難しいと思います。特にマーク模試で60点以下の生徒は、一緒に追ってあげる必要があると思います。
スタート地点の設定
1回目は読みながらメモを書く、2回目メモを見ながら聞いて解く。1回目の読みながらメモを書く動作は「解く」動作を外している段階です。このように問題点を絞って、スタート地点を変えたタスク設定をしないと個別の課題に対応できないと感じます。タスクを単純化し、生徒が課題を発見しやすくすると、自ら取り組むことを選べるようになります。生徒が自らPDCAサイクルを回すのが目指すところです。
タスク設定で見える生徒の変化
その後、指導してない状態で英語外部検定のスコアや成績が伸びていきました。教員側としては、課題の設定とその生徒がどんなことしているかをモニターするだけです。上位のブレーキをかけないことも大事だと思っています。技能統合型タスクの指導はタスクを単純にして、生徒が課題を自ら把握しやすくするのがよいと思います。そのために生徒が自らの課題に対して適切なトレーニング方法を選び、段階的に力を伸ばせるようにする機会を作る必要があります。また、その場合、従来型の「テスト演習→答え合わせ(→音読)」では生徒の力を伸ばすことができないことがあるため、複線的な授業を展開するのがよいのではないでしょうか。
一ノ瀬先生×田野先生ご対談
- 一ノ瀬先生
- 田野先生の講演でタスクを切り分けるという話がすごく参考になりました。きちんと意味を抑えてから聴かせるとか、スクリプトを見せておいてからスクリプトと音を合わせるとか、生徒に応じた指導を非常に丁寧にされていることに感激しました。もう1つはそれぞれの生徒が自分のタスクを選んで、授業の中でも取り組めるので生徒も安心できると思います。素晴らしい授業実践だと感じました。
- 田野先生
- 一ノ瀬先生のお話はとてもシステマティックでした。実践と結果、フィードバックが効いていて、ポイントポイントで具体的な項目を押さえているところが印象に残りました。数値も効果的に使用されていると思います。リスニングは後ろの時期に寄せていて、これは間に合うのかなと一瞬思ったのですが、リーディングの時にリスニングもやっているので、間に合いますよね。また、学校の示すプログラムで段階的にやっていけば、本当に多くの生徒さんが救われるのだろうと思いました。点数も本番で19点あがることはなかなかないと思います。
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2023年07月22日 開催
2023年09月12日 公開