指導事例:進路と教科の目線を揃える模試活用術とは

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指導事例:進路と教科の目線を揃える模試活用術とは

指導事例レポート

さまざまな学校課題や指導テーマに対して、指導を工夫されている先生方に取材を行い、その実践をご紹介するベネッセの指導事例レポート。今回は進路と教科の目線を揃える模試活用術について、某高校にヒアリングいたしました。これからの共通テスト・進路実現に向けた大学受験指導のご参考になれば幸いです。

学校紹介

B中学・高等学校
【進路情報】
私立中高一貫・男子校。
大学合格者数 国公立大46名(うち東大・京大6名)/ 早慶上理87名 / GMARCH 227名
※合格者延べ数。現役のみ。令和7年度入試。

背景と課題

最難関大合格者は増加するも、拡大する「学力階層差」

学年・教員ごとの指導方針のバラつきをどう解消するか。

近年、東大・京大をはじめとする最難関大学への合格者を複数名輩出し、着実に進学実績を伸ばしているB中学・高等学校。上位層の伸びが著しい一方で、学校現場が直面していたのは「上位層と中下位層の学力の開き」という大きな課題でした。

さらに、学年や担当教員によって模試成績に対する意識や進路実績にバラつきがあるという課題感もあり、学校として「安定的にGMARCH以上の合格者を輩出する」体制づくりが急務となっていました。

そこで管理職から『進路指導部が音頭を取り、模試を起点とした各教科の指導方針策定を行う』という指示が出されたことが、今回の取り組みのスタートでした。

取組内容

進路指導部が「ハブ」となり、全校で模試の目標GTZを共有

数学の先取りに追いつかない「国語・英語」の引き上げへ。

まず着手したのは、進路指導部が各教科のハブとなり、模試を軸にした指導設計を行う体制づくりです。

国語・数学・英語の各教科主任が進路指導部に所属。進路指導部としての模試の位置づけや活用の意図を各教科へスムーズに共有し、模試に向けた指導が教科間で乖離しすぎないよう目線を合わせました。

特に、低学年模試においては、「目標GTZ:A2」を各教科で設定。最低限の指導ラインを揃えつつ、特に中下位層へのフォローを重視する方針を打ち立てました。

同校では、中学段階からの先取り学習により三教科の中で最も上位層が多いのは「数学」です。

一方で、中下位層の割合が相対的に高い「国語」および「英語」において、模試に向けた段階的な学習を進めるためのツールとして採用されたのが『進研WINSTEP Division』でした。

活用のポイント

指針は統一しつつ、実際の運用は各教科へ一任

進路指導部としては、国語・英語に対して模試前の『進研WINSTEP Division』活用を案内・推奨しています。しかし、具体的な活用方法や場面は各教科の判断に委ねられており、最終的な指導方法は各教科で検討しながら実施されています。

Point.1  英語での活用

  • タイミング:定期試験が終わるタイミング(模試までおよそ1か月前)に生徒へ配布。
  • 運用・指導:基本は家庭学習とし、週1回ぐらいの頻度で回収・点検。日頃の授業で意識させている「速読」と掛け合わせ、模試本番での適切な時間配分の指導につなげる。

Point.2  国語での活用

  • タイミング:定期試験終了後、面談で生徒が早く帰宅する期間に生徒へ配布。
  • 運用・指導:模試の1週間前に提出(1回のみ回収)。古典文法や知識の復習に加え、長文に慣れさせ「既習範囲が模試でどう問われるか」を意識させる。

取り組みの成果

指導ラインが統一され、中下位層に「準備の習慣」が定着

教材という共通の軸ができたことで、教員ごとの指導の乖離がなくなりました。

特に課題であった国語・英語において、定期試験から模試までの対策ステップが明確になった結果、受け身だった中下位層にも「模試に向けて準備する習慣」が着実に定着。授業の学びと模試の出題をスムーズにつなぐ効果を生んでいます。

今後の展望

模試前後の指導をすり合わせ、進路と教科の両軸を回す

B中学・高等学校では最終的に、入試および模試に向けた各教科の指導方針を進路指導部でさらに取りまとめ、全体の足並みをより強固に揃えていく予定です。

当面は、模試前の準備指導だけでなく「模試前後の指導」について各教科で検証・検討を重ね、進路指導部とともにすり合わせを継続していきます。

進路指導部と各教科が同じ目線で指導のサイクルを回し続けることで、同校が目指す「GMARCH以上への安定的な合格輩出」に向けた基盤づくりが着実に進んでいます。

2026年8月14日 公開

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