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2021年10月8日(金)開催 研究会レポート(今未来手帳)
『今未来手帳 2022年度版 発刊記念研究会 JETS VS 東大メンタル』
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2021年10月8日(金)、「今未来手帳」2022年度版発刊にあたり、監修者である中山芳一先生と「チア☆ダン」のモデルでもある福井県立福井商業高等学校 JETS顧問の五十嵐裕子先生をお招きし、オンラインにて「今未来手帳 2022年度版 発刊記念研究会 JETS VS 東大メンタル」を開催いたしました。その配信内容について、一部レポートいたします。
研究会の詳細
講師紹介
研究会
研究会 |
今未来手帳2022年度版発刊記念研究会 JETS VS 東大メンタル |
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日時 | 2021年10月8日(金)17:00~18:30 |
対象 | 高等学校・中高一貫校(中等教育学校)の先生 |
開催形式 | ZoomでのLIVE配信 |
研究会レポート
五十嵐先生 × 中山先生 ご対談
・周囲は『できっこない』と思っていた全米優勝
・『夢を達成していく姿を意識の中に刷り込む』ツール
・今未来手帳やドリームノートの活用法
・手書きのよさとは? 東大生が手書きの手帳を持つ理由
・振り返りの重要性
・まとめ
周囲は『できっこない』と思っていた全米優勝
- 中山先生
- 五十嵐裕子先生は、映画『チア☆ダン』で、天海祐希さんが演じたJETS顧問のモデルとなった先生です。なぜもともとチアダンス部のなかった福井県立福井商業高等学校でチアダンスをしようと思ったのでしょうか?
- 五十嵐先生
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私は、昔からドラマや映画のサクセスストーリーが好きで、自分も子どもの可能性を開くような先生になりたいと思っていました。
たまたま神奈川県の厚木高校がチアダンスで全米優勝したというニュースとその踊る姿を見て、子どもが輝いている姿は、命が輝いていると思いました。『せっかく先生になったのだから、何か福井県のためにならないといけない』という使命感もあり、福井の県立高校で全米優勝したらすごいことになると思い、チアダンスをしようと決意しました。
しかし、新しいことを始めるときは批判的な意見も少なくなく、周囲は『全米優勝なんてできっこない』と思っていました。
- 中山先生
- そんな中、2006年に福井商業高等学校でJETSを立ち上げ、次の年には全日本本選出場達成。2008年全日本3位、2009年には全米優勝をされた。『できっこない』をやったということですね。
『夢を達成していく姿を意識の中に刷り込む』ツール
- 五十嵐先生
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JETSは、今未来手帳もドリームノートも部活日誌も使用して、常に『周りがだめだといっても、私たちがやりたいことはなんですか?』と問いかけています。周りはできっこないと言っても、『それを達成していく姿を自分の意識の中に刷り込んでいく』という作業をしていきました。
(中山先生著書の)『東大メンタル』の中にもあったように、『自分の脳をだます。マインドコントロールする』ことと同じだと思っています。JETSは、チアダンス版の『ドラゴン桜』だと思っていました。
- 中山先生
- 五十嵐先生はドラゴン桜の先生と気が合いそうですね。五十嵐先生は、究極のポジティブシンキングだと思います。ポジティブな指導の在り方やサポートの在り方が、漫画のような話を作り上げてきたのだと思いました。
今未来手帳やドリームノートの活用法
- 中山先生
- 今未来手帳、ドリームノート、部活日誌はどのように活用されていますか?
- 五十嵐先生
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インスピレーションも含めて、子どもたちは毎日手書きでノートを書いています。初代JETSから書いていました。
最初は非難も多かったのですが、やってみると毎日きちんと同じ字で書ける子は結果を出すことがわかりました。また、日々の振り返りについて、自分のことがきちんと書けている子、そして怒られたことも正直に書いている子も上手になると思いました。
私自身も23歳ぐらいから自分の夢を描く『夢ノート』を書いていて、すでに何冊も書き終わったノートがあります。忙しい中でも、毎日、夢ノート開くと「これやりたかったんだ」「この人に会わないといけないな」と思って、次は日々のTODOリストに落とし込むことができます。
手書きのよさとは? 東大生が手書きの手帳を持つ理由
- 中山先生
- 最近はスマホ、高校生だとタブレットなども使用するのではないでしょうか? 手書きの手帳を使うことについて、五十嵐先生はどのようにお感じになられていますか?
- 五十嵐先生
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手帳はめくったらまたすぐに振り返ることができる。それに自分の字で書いていくことがよいのではないかと思います。
JETSでのICTの活用としては、帰りの電車の中で、今日の学びをみんなグループラインに出し合っています。そして、それをもとにみんな日誌を(手書きで)書いている。そうすることでよりスムーズに書けているように思います。(ICTを活用しながらも)やはり私は、最後は手書きだと思っています。
- 中山先生
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『今未来手帳とタブレットのどちらかだけ』というより、「これはタブレット」「これは手書きの今未来手帳やノート」、と分けて使っている先生の方が、教育方法学という分野から見ても教育が成立しているように思います。
先ほどの話で、同じフォントで、同じように整然と描くのはPCでは簡単にできますが、手書きではどうしても差が出る。手書きだからこそ現れるものですね。
- 五十嵐先生
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昔は、大学合格、など筆で書いて貼っておくこともありましたよね。
JETSも最初は私だけが『アメリカに行く!』と言っていたけど、そのうち子どもたちがスマホの待ち受けなどにも『全米優勝』と目標を掲げだし、しょっちゅう目標を目にするようになっていました。
- 中山先生
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実は東大生って、手書きの手帳を持っている学生が非常に多いんです。
スクロールせずにページをめくれる感覚もそうですし、『手書きによるインプット率が高い』ということを東大生は何となく感じているのだと思います。
振り返りの重要性
- 中山先生
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これをやるという目標設定もそうですが、振り返りも重要だと思います。
振り返りについても、五十嵐メソッドには組み込まれていますか?
- 五十嵐先生
- よく『結果が出なくても、頑張った過程が大事』と言いますが、『結果が出なかったこと』は『過程が悪かったということ』だと思っています。しかし、勉強やダンスは失敗しても次がありますから、きちんとその過程を振り返って、次に進むようにしています。振り返る時は、どんな生徒でも「絶対よくなる」と信じ込み、大雑把にせず、どこまでも真剣に振り返ります。
まとめ
2018年には、突然、アメリカの大会で海外のチームを受け入れないと言われたものの、『それならNYのカーネギーホールで公演しよう!』と目標を掲げ、実現された五十嵐先生。
五十嵐先生は、「色々なことに対して『これは無理かな』と諦めている方もいると思います。しかし、実際に動いてみると意外にできたりする。先が見通せなくても最初に『やってみよう』と少し動いてみる。そのちょっとした勇気で人生が変わるのではないかと思います。先生方には力があるので、子どもたちの可能性を開けるように一緒に頑張っていきましょう!」と、力強くお話しくださいました。
他にも、「内面からではなく、外から見える表情や言葉から変えていく」、「感謝をテーマに『感謝リスト』をつくる」などの非常に参考になるお話もあり、研究会は大盛況に終わりました。
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研究会を終えて
本研究会にご参加いただいた先生方からご感想をいただきました。
- 九州地区
T高等学校
N先生
五十嵐先生のポジティブ思考と、生徒が輝くために全力を尽くされているお姿に刺激を受けました。中山先生のお話が裏付けになるように補われていて、たいへん感銘を受けました。
- 関東地区
B高等学校
N先生
自分自身、笑顔を忘れているなとか、できっこないと決めつけてチャレンジしていなかったなと気づきをもらえた対談でした。五十嵐先生のどこまでも明るく、前向きな姿勢に私自身背筋が伸びた思いです。お二人のお話で、「他の人たちがいる中での主体」という内容にとても納得いたしました。
2021年10月 開催
2021年12月8日 公開
T高等学校
W先生
五十嵐先生が、子ども達一人ひとりが輝くためにやってきた数々の凄いことに、あらためて感動しました。その行動は、中山先生が理論付けていらして、とても分かりやすく聴かせていただきました。