指導事例【英語】先生と生徒が、お互いに『嫌にならない』ライティング指導

Benesse

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先生と生徒が、お互いに『嫌にならない』ライティング指導

指導事例 vol.022

さまざまな学校課題や指導テーマに対して指導を工夫されている先生方に取材を行い、その実践をご紹介する連載企画「指導事例」。

今回は、弊社の「書く力」を身につける技能演習シリーズ『Path to Writing 1・2』をご採用くださった新潟県立国際情報高等学校の泉田 康助先生にお話をうかがいました。英文を書く生徒の皆さんにも、添削をされる先生方にも、どうしても大変になりがちなライティング。お互いに『嫌にならない』ようにライティングに取り組まれている泉田先生の工夫をお聞きしました。

【英語】先生と生徒が、お互いに『嫌にならない』ライティング指導

01. 英作文が得意な生徒も苦手な生徒も、みんなが取り組める

Path to Writingをご採用いただいたきっかけは何ですか?

泉田先生
生徒にライティングをさせたい、とずっと思っていました。でも、なかなか英文を書く機会がないし、いざライティングをさせようと思ってテーマを与えても、生徒はすぐに英文を書けません。そんなときに、Path to Writingに出合いました。

例文を読んだあとに、アイデアを出して、構成を考える…というワークの構成を見て、これなら英作文が得意な生徒も、苦手な生徒も、みんな取り組めるなと感じました。

どのくらいの頻度でご使用いただいていますか?

泉田先生
最初は週末課題にしていましたが、毎週となると生徒も先生にとっても負担が大きくて、今は基本的に2週に1回の頻度で使用しています。2週間あれば生徒もじっくり取り組めるし、先生の添削にも時間がかかるので。

02. アイデアを出し、構成を考え、英語で書き出していく

Path to Writing 1を使っていただいた感想をお願いします。

泉田先生
最初は生徒が慣れていないので、接続詞のない短文の羅列だったり、文法もめちゃくちゃだったり。英作文をするにあたって、まずは授業で、文章を論理的に書くためのフォーマットを示しました。OREO(Opinion、Reason、Example、Opinion)を示して、 授業中に英作文を書かせてから、週末課題で取り組ませるようにしました。そのあとはPath to Writingに沿って、アイデアを出して、構成を考えて、実際に書く、という流れで英作文の演習ができています。

Path to Writing 1のあとにPath to Writing 2もご採用いただきました。
1と2の違いなど、感じられたことはありましたか?

泉田先生
Path to Writing 1は英文も短く、指示が日本語で書かれているので、生徒全員が問題なく内容を理解して、取り組んでいたと思います。2は指示が英語になって、テーマも1より難しくなります。「英語を理解しているか」ということも確認したくて、ノートだけではなく、本冊も一緒に提出させるようにしていました。

英語が得意な生徒はPath to Writing 2の流れに沿って、自由に英作文が書けています。テーマについて、アイデアを出す、思考するという段階があるのがいいなと思います。Path to Writing 1は自分の思いを表現することが中心でしたが、2に収録されているテーマには、すぐに書き始められない社会的なものもあります。じっくり取り組むには時間がかかりますが、テーマについて調べたり、考えたりする工程があるのもいいですね。

英語が苦手な生徒の中には、Model Essayを少しだけ変えて書いて、提出する生徒もいます。「英語の型を覚える」という観点で、最初はそれでもいいので、だんだん自信を持って書けるようになってほしいですね。

03. 習った表現を積極的に使えるように

先生が添削するのは大変ですよね?

泉田先生
先生1人で生徒40~50人分の英作文を見るので、添削が大変でした。そこで、生徒に「添削してほしい箇所に線を引いて提出するように」と伝えました。下線部を中心に見ることで、添削が少し楽になりました。線を引かせることで、習った表現を積極的に使うようになった生徒もいて、「線を引いて提出する」ことの効果を感じました。英作文は、生徒にとっても、先生にとっても大変な活動なので、「できるだけ、お互いに嫌にならない工夫をする」ということが大事かもしれません。

Path to Writing 2・3には評価表やルーブリックがついています。

泉田先生
ルーブリックを用いて自分で確認したり、生徒同士で評価したりはまだ行っていませんが、それぞれの指標の達成度がわかるといいですね。ルーブリックの「つなぎ言葉などが効果的に使われている」というのは生徒も理解できると思いますが、「内容が首尾一貫している」という観点は、もしかしたら生徒は自分ではわからないかも…。そこは先生のサポートが必要かもしれません。

単なる間違い直しではなく、できていない観点が指標に沿って視覚化されるとよいと思います。別冊のノートは、左側に加筆・修正ができるスペースがあって、右側に清書できるページがついていますよね。生徒は右側のページを使って、リライトしていますよ!

学校紹介

新潟県立国際情報高等学校
教育目標は、「進取の精神と豊かな人間性を身につけ、国際・情報社会で活躍できる心身ともに健康な人間を育成する」。国際文化科、情報科学科、海外大学進学コースがある。学力を伸ばし、個性を生かす独自の教育システムによる指導で、生徒の可能性を最大限に伸ばす。

編集後記

英語編集
白川

『Path to Writing 1』は「自分自身について表現する」、『2』は「自分と関わりのある社会問題について表現する」というコンセプトでテーマを設定しました。『2』以降については、世の中の様々なテーマに目を向けてもらいたいという思いも込めて、社会的なテーマも収録していますので、『Path to Writing』をきっかけに、様々なことに興味を持ち、知識を広げてもらえたらうれしいです。別冊ノートの「清書スペース」も使ってくださっていて、とてもうれしく思いました!泉田先生、ありがとうございました。


2021年10月 取材
2021年11月16日 公開

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