- 指導事例 vol.034
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さまざまな学校課題や指導テーマに対して指導を工夫されている先生方に取材を行い、その実践をご紹介する連載企画「指導事例」。 今回は、2024年共通テストを見すえた高2の3学期~高3の1学期のご指導について、お話をうかがいました。ぜひご覧ください。
授業の内容や学習活動がそのまま入試につながることを知る
共通テストを見すえた、高2の3学期~高3の1学期の指導
01. 指導のポイント
1)総合的な英語力をつけて、どのような問題にも対応できる力を育成したい
「聞いた情報を整理して自分の考えを話す」、「自分の考えを書くために必要な情報を読む」というような、アウトプットを意識したインプットを通して総合的な英語力を高め、共通テストに限らず、どのような問題にも対応できる力を育成していきたいと考えています。
2)英文の「概要」をつかむことと、「文法」は出会ったときに確認すること
英語指導は、中学校の段階から、「文法」よりも文章を読んだり考えや気持ちを伝え合う「言語活動」を中心に進めるように変わってきています。高校に入学してくる生徒の指導でもこの流れにそって、授業では英文の概要(目的や場面、状況)をつかむことと、生徒たちが間違えたところでは、なぜ解釈を間違えてしまったのか、そのときに文法などを確認するようにしています。これにより、文法・語法のミスはコミュニケーションにおける誤解につながるということに気づかせたいと考えています。
3)普段の授業がそのまま入試につながっていることを知る
授業では、常にリスニングから入り、まずキーワードや重要なことをメモし、次に実際に本文を見て概要を把握し、最後に自分で書いたリスニング時のメモを参考にしながらペアを替えて発表し合い、他者の表現を参考にメモを更新していくようにしています。こういった授業中の学習活動が、たとえば、共通テストのリーディング第6問の発表用のメモを埋める問題や、リスニング第5問の講義ノートを埋めるような問題など、そのまま入試につながっていることに気づかせたいと考えています。ディスカッションやライティングでは、自分の意見を述べたら、説得力を増すために事例が必要なことや、意見と事実は分けて述べることなども授業で指導しています。
02. 『重要問題演習』の活用
共通テストに向けた学習の意識づけに『重要問題演習』を活用
生徒に共通テストに向けた学習を意識づけされるために、以下のように『重要問題演習』を活用しました。- 2年生の1月に、その年の共通テスト(国語、数学、英語)に取り組ませており、まずは、それに向けての準備や意識づけを行うために『重要問題演習』を使用。
- 2年生の冬休み前に『Navigator & Check』(別冊付録)を使って共通テストの特徴を確認。
- 共通テストは時間との勝負になるので、まず設問を見てから本文を読むことなど、取り組み方を生徒と一緒に確認。
- 共通テストでは分量が多く、情報処理力(素早く必要な情報を読んだり整理したりすること)が必要なことも確認。
- 冬休みに『重要問題演習』から共通テスト1回分に相当するところを課題で取り組ませた
共通テストの体験を通じて
授業でやってきたパラフレーズ(本文中の英語を別の表現を使って言い換えること)が共通テストの選択肢の英文を解釈する際に活きることなど、共通テストと授業でやっていることの関連性を確認しました。生徒たちが、授業が入試につながっていることを知り、授業へのモチベーションを上げていけたらよいと考えています。
『24重要問題演習』の一部をご紹介
2023年2月 取材
2023年3月10日 公開
おすすめの問題集
- 早期から実際のコミュニケーションを想定した場面での理解・定着をさせるには、『2024共通テスト対策【実力養成】重要問題演習 英語(リーディング・リスニング)』がおすすめです。共通テストの出題方針や求められる力を分析し、制作しているため、共通テストに向けた学習の第一歩となります。