研究会情報
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2021年11月13日 開催 研究会レポート(数学)
『2023大学入学共通テストに求められるチカラとは』
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2021年11月13日(土)、名城大学 教職センター教授・竹内 英人先生をお招きし、オンラインにて「2023大学入学共通テストに求められるチカラとは~なぜ今(3年生0学期よりも前)から指導しなければならないのか~」を開催いたしました。ご講演の内容をレポートいたします。
研究会の詳細
講師紹介
研究会
研究会 |
2023大学入学共通テストに求められるチカラとは ~なぜ今(3年生0学期よりも前)から指導しなければならないのか~ |
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講師 | 名城大学 数学教育研究分野 竹内 英人 |
日時 | 2021年11月13日(土)13:00~15:10 |
対象 | 2023大学入学共通テストをご指導される高等学校の先生 |
開催形式 | ZoomでのLIVE配信 |
研究会レポート
講演の主な内容
・2021年度大学入学共通テストの振り返り
・より早期から共通テストを意識した指導を
・2年生のこの時期からどのように学力をつけていくか
・3年生に入る前に『学習観の見直し』をする・生徒の学力を高める6つの方法
・竹内先生メッセージ ~『数学不安』から『数学ファンへ』~
2021年度大学入学共通テストの振り返り
2021年度の大学入学共通テストを振り返ると、これまでであれば知識・技能が中心の問題構成でしたが、思考力・判断力・表現力などの様々な力が試されるようになっていると、竹内先生はお感じになられたそうです。
また、教科書内容が重視されていて、普段私たち教員が生徒に強調しているような問題が共通テストに反映されているとお話になられました。
数学IAとⅡBを比べると、数学ⅠAに関しては新傾向の問題が多かったもの、数学ⅡBに関してはまだ練られていない印象を持ったそうです。ⅡBについては次年度以降新傾向の問題が増えてくるのではないか、と予想していただきました。
より早期から共通テストを意識した指導を
今まではセンター試験や入試の対策に関しては、3年生0学期から本格的な指導が始まっていました。しかし、共通テスト対策の中で学ぶことが多いので、これまで以上に入試指導を早めなければならないとお伝えいただきました。より早期から、共通テストを意識した指導をしていきたいと竹内先生はお感じになられているそうです。
共通テストに向けての対応としては、『授業を変える、テストを変える、課題を変える、学びを変える』の4点があるそうです。分かりやすいだけの授業ではなく、思考力・判断力・表現力が言語化できる授業であるか。知識技能だけではなく、思考力・判断力・表現力が問えるテストとなっているか。やらせるだけの課題ではなく、主体的に家庭でも取り組める課題になっているのか。そんなことを問い直しながら指導してほしいと、竹内先生よりお伝えいただきました。
2年生のこの時期からどのように学力をつけていくか
2年生のこの時期には、数学はⅠA・ⅡBの指導がほぼ終わることで数学アイテムが揃い、系統的・横断的な学びが可能となります。加えて、この時期は模試も始まり、生徒も入試に対するモチベーションが高まっているそうです。
ただ、竹内先生は『早く進めていくこと』ではなく、『基礎を固めておくこと』を重視してほしいとお感じになられているそうです。ここで基礎・教科書知識を固めておかないと3年生の演習時に伸び悩むとお話しいただきました。
具体的な方法や目標としては、『教科書の完全理解、基本問題の完全定着、苦手分野をなくす、数学の習慣化』だそうです。
教科書に掲載されている定義の正しい理解と、公式・定理の証明は全て網羅する。また、この時期から復習を徹底し、教科書レベルはもちろん、問題集・参考書で基本問題(★、★★など)を完璧にする。そして、1日15分でいいので毎日数学に触れるとよいそうです。
その際の具体的な方法として、計算の工夫なども含めた計算が速く正確にできるようにする「計算育成トレーニング」や、高校入試の長文問題でもいいので長文問題を音読させ、一日一題とく「読解力トレーニング」、「思考力・判断力・表現力育成トレーニング」などもご紹介いただきました。
3年生に入る前に『学習観の見直し』をする
3年生に入るところで、その指導を続けて共通テスト・二次で点数が取れるかをもう一度問い直す『生徒側・教師側の学習観の見直し』が必要となるそうです。
生徒側から見直すときは、『間違った学習をしている、普段の授業から共通テストへの意識が足りない、なかなか定着しない』場合です。
生徒は覚えることが多いと、解き方を覚えてしまうことがあるそうです。そのような生徒は、定期テストでは点数が取れるが、模試では取れないことが多いので、まず考え方を理解させてあげることが大切だそうです。まだ先だと共通テストへの意識が薄い場合は、普段の授業でも共通テストをリンクさせて話すことや、継続する・反復ができない生徒には、継続できる・反復できる工夫が必要だそうです。
教師側からの見直すときは、『正しい学び方を伝えていない、普段の授業がゴールとリンクしていない、生徒にやらせきれていない』場合です。
予習のやり方わからない子も多いので、教科書・問題集・参考書の正しい使い方、解答の読み方など、予習復習の正しい仕方を伝えていくことをお勧めされました。普段の授業も、共通テストや二次試験とリンクしていない場合は、思考力・判断力・表現力をつけることを念頭に授業を行います。また、生徒たちは三か月続けるのもなかなか難しいものだと念頭に置き、続けきるテクニックを教え、教師側がやらせきる工夫をしてほしいとお感じになられているそうです。
生徒の学力を高める6つの方法
生徒の学力を高める方法は6点で、
1.良い教材(内容、自学自習できる)
2.学ぶことが楽しくなる仕掛け(正しい学び方の指導)
3.毎日継続するしくみ(学習の習慣化、生徒も教員も負担なく)
4.やらせ切る仕組み
5.生徒自身が、為になる、役立つ、と実感できる仕組み
6.点数をあげたいなら「本番セット」ではなく、「単元集中、反復形式」
だとお伝えいただきました。
竹内先生自身の具体的な指導例として、朝の自習室や、1日1回数学に触れる「共通テスト100本ノック」など、SNSでの指導ややりとりもご紹介いただきました。ルールを作って、できない子にはフォローと逃げ道を作る。教員側が絶対に続けると言い切れば、生徒もついてきて、チームとして頑張れるとお感じなられているそうです。
また、勉強すればかならず成果がでるような教材づくりや、単元集中の仕組みづくりにも取り組んでおられるそうです。目標は本番で100点を取ることで、そのために2年生の今から生徒の学力を高めていきたいとお話しいただきました。
竹内先生メッセージ ~『数学不安』から『数学ファンへ』~
2022年度数学ⅡB共通テストで狙われそうな問題を中心に数多くの問題提供をしていただいた後、竹内先生は、「『数が苦』から『数楽』へ、『数学不安』から『数学ファン』へ。日本の高校数学教育をあげて、一人でも多くの子どもたちに、数学っておもしろいと思ってもらえる、数学好きな子を育てたいですね。これからの日本を救うのは教育しかないと思います。数学を通して、子どもたちの人生を豊かにできるように、皆さんで協力して頑張っていきたいです!」と熱い言葉で締めくくられ、研究会は大盛況に終わりました。
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2021年11月13日 開催
2021年12月27日 公開
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