
- 指導事例 vol.021
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さまざまな学校課題や指導テーマに対して指導を工夫されている先生方に取材を行い、その実践をご紹介する連載企画「指導事例」。
「振り返り」の質を高め、「メタ認知力」を鍛える「今未来手帳」。兵庫県立西宮高等学校の宮垣佳寿子先生と森下亜子先生からお話をおうかがいしました。
【手帳】日々の「振り返り」で手帳を活用する
01. 今未来手帳 カスタマイズ版の導入
ご採用のきっかけを教えてください
- 宮垣先生
- 2019年当時は、生徒手帳とスケジュール手帳(他社手帳)の両方を生徒に持たせていました。私は生徒指導部で生徒手帳の担当をしていましたが、生徒手帳を持参しない生徒が散見されたので、スケジュール手帳と一体化ができればとキャリア教育推進部に相談しました。
導入することにより、どのような課題が解決されたと思われますか?
- 宮垣先生
- 一体化できたことで、生徒手帳の内容もすぐに確認することができ、指導がしやすくなりました。手帳を活用する文化はもともとありましたが、「県西手帳」として生徒の愛着も深まったのではないかと思います。
導入にあたり、先生方で目線合わせをされたことはありますか?
- 宮垣先生
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「県西手帳」を導入してから11年目になります。
特に教員間での目線合わせはしていませんが、入学当初の総合的な学習の時間で手帳のガイダンスを行い、手帳の意義や使い方を説明します。その後の運用は、各学年次で行っています。「手帳は必ず毎日持ってくること、集会時には持ってくること、面談時にも持参すること」という声かけだけでも活用度は変わりますね。最近では、講演会があると、どの年次も“講演会のメモ”というページを活用しています。
02. 生徒たちの変化
手帳活用で現生徒さんの変化は見られましたか?
- 宮垣先生
- 今年の1年生は特によく手帳を活用しているシーンを見かけますので、1年次団の先生は手帳の活用指示をしっかりされていると思います。終礼のHRでは必ず当番が「手帳を出してください」と声かけをしていますよ。
デジタル活用はされていますか?手帳との併用はどうお考えですか?
- 宮垣先生
- 来年度から1年生はタブレット端末を全員購入します。手帳との棲み分けについてはこれから先生方と検討していきます。私は昭和の人間なので(笑)手帳派です。
- 森下先生
- 手帳には手帳の良さがあると思っています。デジタルは少し先のスケジュール管理には向いていると思いますが、振り返りや全体を俯瞰してみたりするのは手帳のほうが得意ですよね。手書きが記憶を定着させる部分もあると思います。
03. 振り返りの「質」を上げる
振り返りの質(レベルを上げる)を確認することをどう思われますか?
- 宮垣先生
- 振り返りは大切です。特に振り返りで手帳を活用してほしいと思っています。振り返りのレベルを確認することもいいですよね。一度、生徒に手帳活用についての振り返りもさせたいと思っています。
「メタ認知」についてお聞かせください
- 森下先生
- 学校ではあまり「メタ認知」という言葉は使いませんが、「エッセンスとしてメタ認知を理解していく」でいいのではないかと思っています。部活動のような場面では深く振り返りができますが、なにげない日常の中での振り返りは生徒にとって難しいのかもしれませんね。振り返りの段階(レベル)を図式でイメージさせるといいかもしれませんね。現在の手帳は振り返りのレベルが横にデザインされていますが、縦だとよりイメージしやすいかもしれません。
※弊社のカスタマイズ手帳は2020年度版からご採用いただきました。2021年度版から「5段階の振り返り」ができる週間スケジュールのレイアウトをご活用いただいています。
2021年7月 取材
2021年10月26日 公開
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