指導事例【国語】2023年共通テストを見すえた、高2の3学期~高3の1学期の指導

PICK UP
共通テストを見すえた、高2の3学期~高3の1学期の指導

指導事例 vol.025

さまざまな学校課題や指導テーマに対して指導を工夫されている先生方に取材を行い、その実践をご紹介する連載企画「指導事例」。今回は、2023年共通テストを見すえた高2の3学期~高3の1学期のご指導について、お話をうかがいました。ぜひご覧ください。

本コンテンツは、PDFファイルで閲覧することができます。PDFファイルの閲覧には Adobe Acrobat Reader が必要です。ご利用いただいている環境に応じて、閲覧ソフトをダウンロードしてください。

PDF資料をダウンロード

基礎・基本を中心に、まずは対策を立てやすいところを得点源にする

国語(古典)
共通テストを見すえた、高2の3学期~高3の1学期の指導
立命館慶祥中学校・高等学校
【学校情報】
私立中高一貫・普通科、1学年約330名、進路状況:国公立大 101名(難関国立大 37名)

里見 直人先生
教職歴5年。同校赴任初年度に中学1年生を担任、生徒とともに毎年進級して現在は高校2年生担任。タイの首都バンコクに9年在住、日本人向け学習塾「学習空間NOAH」での塾講師から中学高校教員へ転職して現在に至る。学校目標である「世界に通用する18歳」を育成すべく、日々奮闘中。

01. 現高2生の特性や実状

進行役
現在(2021年度)の高校2年生の特徴や実状を教えてください。
里見先生
今年度は、半数は内部進学で系列大学へ進学し、半分は国公立大学や医療系の学校へ進学希望となっています。

02. これまでの取り組みとおもな成果

進行役
2学期までの取り組みを教えてください。
里見先生
国語・数学・英語は1月の「共通テスト同日体験」(共通テスト当日に模擬試験を実施)を一つの目標に据えていまして、12月には学習を切り替え、冬休みに「解き方」を身につけるために「重要問題演習」を課題として与えました。「重要問題演習」を与える際に、共通テストの各大問の特徴、優先度、個別試験との配点の違い、学習方法等をまとめた「共通テスト国語 必勝マニュアル」を配布しました。(下記をご参照ください)

「共通テスト国語 必勝マニュアル」






里見先生
「共通テスト国語 必勝マニュアル」では、生徒個々に応じた課題への取り組み方や学習方法も示し、「共通テスト同日体験」や模試の受験で、学習の成果が実感できるように工夫しました。

また、共通テストに向けた新たな取り組みとして、得点できるところをきっちりと指導しています。例えば、共通テスト「国語」では200点満点のうち古典が100点で、古典は基礎・基本の習得が得点につながりやすいので、そのことをわかりやすく伝えています。

また、現行課程では出題がはっきりしない実用的文章や、得点が不安定になりがちな小説よりも、指導効果が出やすい評論に重点を置いています。生徒はテストや模試で点を取りたいと思っていますが、点数が出ないと心が折れるので、そこをうまくマネジメントしています。

進行役
取り組んでみて、どのような成果を感じられていますか。
里見先生
「共通テスト同日体験」で得点が出なくても、生徒たちは目的意識をもって、次の模試に向けて頑張るようになりました。「重要問題演習 古典」は、生徒の学習の流れに応じた難易度で、共通テスト形式の問題で文法・句法などの基礎事項がひととおり確認できるようになっているので、共通テストに向けた最初の教材として適しています。また、付録の「学習サポートプリント」「現代語訳」を冬期講習で活用し、マーク対策と併せて個別大入試を見据えた記述指導も行うことができました。教材作成が大変なので、その手間が省けたことも大きかったです。

03. 実際の共通テストを見ての課題と共通テストに向けたおもな指導テーマ・プラン

進行役
実際の共通テストを見て、どのような課題を感じられていますか。
里見先生
問題の解き方と復習のしかたを意識させることが大切だと感じました。古文は主語の把握がポイントで、問題演習では誰の発話かをメモさせ、あとで振り返り分析させます。また解き方や復習のしかたについてアンケートも行っています。自分の考えていることを言語化することが、次の学習につながると考えています。

また、現代文の指導では、まずは一つの文章をきっちり読むことからはじめることも大事だと思います。精読ができれば、速読もできるようになるので、制限時間を意識した速読指導を行う予定で計画しています。最初は「30分かけて満点が取れるかな」と問いかけ、それができれば次へ進み、できなければ基本に戻るよう指導したいと思います。

進行役
高2の3学期から高3の1学期の共通テストに向けたおもな指導テーマやプランを教えてください。
里見先生
共通テストや個別大入試で必要な文脈から判断する力も、基礎・基本が身についたうえで習得できると考えています。良質な問題を使って語彙や文法・句法などの基礎・基本を習得させて、深い読解力へといざないたいです。今はその土台作りとなります。

編集後記

営業企画
下山

今回ご紹介した事例では、高校2年生という実状を踏まえて、まずは共通テスト「国語」の出題の特徴や学習法を知らせることで、受験に向けた意識づけを行い、早い段階での基礎・基本の習得を目指されていました。
取材にご協力いただいた里見先生、ありがとうございました。


2022年2月 取材
2022年3月15日 公開

おすすめの問題集

共通テストに向けた最初の指導では、出題の特徴や学習法を知らせることが大切です。 授業の中で「2024共通テスト対策【実力養成】重要問題演習 現代文・古典」の問題を取り上げ、基礎・基本を固めていくことで 共通テストや個別大入試にも対応できることを生徒にも理解させることができます。 「2024共通テスト対策【実力養成】重要問題演習 現代文・古典」を取り組ませることで、 模試受験を通じて意識付けの強化をもちろん、 高校2年生3学期を「3年生0学期」として生徒の意識を受験に向けて切り替えることもできます。

『共通テスト対策【実力養成】シリーズ(国語)』